(※写真はイメージです/PIXTA)

国境を超えた結婚は苦難が多い分、それだけ愛も深い──。そうだとしても、それは蜜月関係の期間限定といえるのかもしれません。国際離婚となれば、互いの国の文化や法律の違いも踏まえた話し合いとなり、ややもすれば複雑化しがちです。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、国際離婚における諸々の手続きや対応等について、外国人問題に精通する稲森幸一弁護士に解説していただきました。

いずれにしても、いくつかの選択肢があるわけですから、それぞれの在留資格について取得の容易さや日本での活動内容を検討した上で、ビザの申請を行うことが重要です。

 

自分で選択し手続きを進めることも可能ですが、弁護士など専門家に相談してみるのもいいかもしれません。

 

また当然ながら、オーバーステイになると今後の日本への入国・在留が困難になりますので、在留期限を確認の上、余裕を持ってビザの更新あるいは変更申請をしたほうがいいことはもちろんです。

 

慰謝料も財産分与も「日本法が基準」

続いて(2)についてです。

 

外国人と日本人の離婚ですので、調停や裁判の手続きをどこでできるかがまず問題となります。

 

調停に関しては、家事事件手続法、離婚の訴えを含む「人事に関する訴え」については、人事訴訟法が管轄を定めています。今回は被告になる妻の住所が日本にありますので、問題なく日本で調停も裁判もできることになります。

 

慰謝料や財産分与についても日本の裁判所で手続きを進められるかも一応問題となり得ますが、人事訴訟法で、本体である離婚訴訟について日本の裁判所に管轄がある時には、それらについても日本の裁判所に管轄が認められています。

どこの国の法律を適用すべきか

次に、日本の裁判所で裁判ができるとして、どこの国の法律を適用すべきか、すなわち準拠法が問題となります。準拠法については難しい問題がいくつもありますが、ここでは夫婦の一方が日本人なので、通則法27条但書で日本法が準拠法となります。

 

従って、日本人同士が日本で離婚する場合と変わらず日本の法律だけ見て判断すればいいことになります。

 

長年日本に住んでいる外国人同士が日本で離婚しようとする場合にはかなり複雑な問題が生じ得ますので、もしそのような事案であれば弁護士に相談されたほうがいいと思います。

 

慰謝料も財産分与も日本法が基準になりますので、特別なことは特にありません。慰謝料の額は事案ごとに異なりますので、ここで一般的に言うことはできません。

 

財産分与は基本的に半分ずつに分けますので、結婚後に築いた財産を平等に分けることが原則となります。これは一方が専業主婦でも変わりません。二人で支え合ってその財産を築き上げたという見方をすることになります。

 

なお、相手の住所がわからない点については、弁護士に依頼すればさまざまな手段で住所を調査してくれます。もし最終的にわからない場合には、公示送達という方法で離婚訴訟を提起することも可能です。

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