今回は、タイで「ビジネスのアポイント」を取る際の注意点について見ていきます。※本連載は、雑誌やウェブなど幅広い媒体で執筆活動をしているタイ・東南アジア専門ライター・梅本昌男氏の著書、『タイとビジネスをするための鉄則55』(アルク)の中から一部を抜粋し、東南アジア随一の工業国タイの地で、円滑にビジネスを行うために欠かせない知識やヒントを紹介します。

土壇場でのキャンセルは珍しくない!?

Q.アポ(面会の約束)を取るときに注意することはありますか?

 

A.アポを取っておいても、先方の都合でキャンセルされることはよくあります。あまり先の日程にせず、近い日付でアポを設定する方が確実です。

 

初めてアプローチする企業にアポを取り付けるには、時間を割いて会うだけのメリットを相手側に感じてもらわなければなりません。連絡を入れる時点で、面会の目的を具体的にしておくことが大事です。

 

また、タイに限りませんが、面会したい企業と何らかのつながりがある人や企業を通じて、最初の連絡をするのは有効です。

 

多くのタイ企業では英語が通じますが、自社にタイ人スタッフがいる場合には、アポ取りを任せてもいいでしょう。アポが取れても、当日の朝など土壇場になって、都合が悪くなったと先方からキャンセルの連絡が来ることがあります。

 

緊急案件が入ったり、ダブルブッキングしていたことに気づいたり、あるいは家族に何かあったりと、理由はさまざまです。こんなときには新たなアポを取り付けましょう。土壇場のキャンセルを避けるのに有効なのは、ずっと先の日時を避け、できるだけ近い日時でアポを取ること。

 

ただ、日本から出張で会いにいくのであれば、1カ月くらい前までにはアポを確定させないと諸々の手配ができません。その場合には渡航が近づいてきたら、再確認の連絡を入れます。さらに、前日または当日朝に連絡しておくことをおすすめします。

「アポ取得」を代行してくれるサービスの活用も有効

バンコクでは、交通渋滞でこちらが遅れることもあり得ます。そんな場合には電話などで、どのくらい遅れそうかを伝えます。土地勘がなくて時間が読めなければ、現在地を知らせるといいでしょう。

 

タイの企業の一般的な就業時間は午前8時〜午後5時(午前9時〜午後6時の場合もあり)。バンコクは通勤時間帯の交通渋滞がありますので、始業直後や終業間際の時間は、アポイントから外すのが無難です。

 

日本からタイに電話をかけるだけでもハードルを感じるかもしれません。現地にコネクションがまったくなければ、アポ取得を代行してくれるサービスを利用するのも一つの方法です。

 

例えば、J ETRO(日本貿易振興機構)、タイ国政府貿易センター(東京、大阪などに事務所)などの公的機関のほか、コンサルティング会社などでこうしたサービスを提供しているところもあります。

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    本連載は、2016年6月23日刊行の書籍『タイとビジネスをするための鉄則55』から抜粋したものです。その後の社会情勢等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

    タイとビジネスをするための 鉄則55

    タイとビジネスをするための 鉄則55

    梅本 昌男

    アルク

    積極的な外資誘致で、自動車などの産業集積が進み、東南アジア随一の工業国になってきたタイ。 東南アジアのほぼ中央に位置するため、この地域の統括拠点を置く企業も珍しくありません。日本企業の進出も多く、在住日本人数は…

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