「牛肉を食べないタイ人」もいる点にも注意
Q.取引先のタイ人を接待で食事に招待する場合、店選びはどんなことに気をつければいいですか?
A.相手が嫌いでなければ日本食がおすすめです。また相手が車の場合は渋滞を避けることができるロケーションの店にしましょう。
初めて接待する相手の場合、日本料理がいいでしょう。料理や食習慣の説明など、接待の席上での話題も自然に生まれるからです。ただし、日本食についての先方の「経験値」に合わせて店を選ぶのがコツです。あまり日本料理を食べたことがない相手なら、タイ人向け日本食チェーンのFUJIやZEN、日本食通なら最近バンコクに何軒かオープンしている懐石料理の店などでもいいかもしれません。
日本料理が苦手な人の場合、高級なタイ料理店か、日本食と並んでタイで人気のあるイタリアンの店がいいでしょう。牛肉を食べないタイ人が中にはいる点にも注意しましょう。その理由について、タイでは昔から牛は力仕事に使われてきて、その名残りで食べないという説や、タイ人の信仰の中にヒンズー教の要素が入っていて、牛は神の使いだから食べないという説もあります。
いずれにしろ牛肉を食べない相手かどうかを事前に確認して、もし食べない方なら焼き肉屋は候補から除外しましょう。店選びは立地にも注意が必要です。先方が車で来る可能性が高い場合、駐車場のある店がいいでしょう。特に会食時間が限られる場合、渋滞の影響が少ない立地の店が無難です。
ちなみにタイのレストランではお酒の持ち込みが可能です。お酒が飲める相手なら、自分の好きな日本酒やワインでもてなすのも手です。持ち込みは店によって有料と無料の場合があり、高級店は通常、有料です。持ち込み代は100〜500バーツ(約300〜1500円)ほど。氷代なども別途かかります。
タイの社会には「二次会」の習慣がない!?
基本的にタイの人は、ゆっくり少量ずつ食べ物を口に運んで優雅に食べます。マナーとして、麺を音を立ててすすったり、食べながら口を開けて話したりするのは、相手が不快になるのでやめましょう。鼻をかむのも同様です。
一次会の後は自然と二次会へ……という習慣はタイにはありません。最初の店を出る間際などに、相手に「もう一軒いかがでしょうか?」とまず確認しましょう。通常は「家族が待っているので」と断られます。
彼らはカラオケバーなどにも行きますが、仕事で付き合いのある日本人とではなく、タイの友人とリラックスして飲みたいというのが本音でしょう。
またお酒に飲まれてしまうのは、タイではとても恥ずかしい行為です。泥酔した人を見ることは日本のように多くありません。泥酔して大声を出したり、吐いたりすれば、信用を失います。適量を飲むことを心がけましょう。