急速な人口減少に伴い、様々な業界でマーケットの縮小が続いています。苦境に立たされる中小企業は、生き残りのためにどのようなビジネスモデルを築くべきでしょうか。本連載では、戸波亮氏の『葬儀会社が農業を始めたら、サステナブルな新しいビジネスモデルができた』の中から一部を抜粋し、新事業展開によって経営基盤強化を実現した葬儀会社の事例を紹介しながら、中小企業の生き残り戦略を探ります。

中小企業が目指すべき「残存者利益」

 

中小企業として主体的に動く際、私が重要だと考えているのが残存者利益を目指すということです。人口減少が進み、国内市場がどんどん縮小していくなかで、競合他社より1日でも長く生き延びることが会社の維持発展につながります。

 

以前から私はこの残存者利益を重視してきましたが、今回のコロナ禍で確信に変わりました。昨年の経営スローガンは「残存者利益を目指す」で、今年は「残存者利益を目指す2」としました。

 

日本の人口は今後、急速に減少していきます。しかし、どんな業種であれ一定の需要と市場は残ります。その市場において競合他社が減っていけば自社の売上が増える可能性もあり、新たな成長の道筋が見えてきます。

 

ポイントは「勝ち」を目指さないことです。負けなければ自ずと勝ちが見えてきます。戦後の高度経済成長期から1980年代後半のバブル期まで、国内市場は基本的に右肩上がりでした。多少、無謀な先行投資をしてでも市場シェアを先に押さえることが成長につながりました。

 

これからは逆です。無理に市場シェアを取りにいくのではなく、利益を重視して体力を温存し、少しでも競合他社より長くビジネスを続ければ、自ずと自社のシェアと利益率が高まっていくのです。

 

特定の業界、特定の地域でしぶとく生き残っていけば十分やっていけるはずですし、むしろ地域の人たちからは感謝され、次も頼みたいと言ってもらえます。現代社会はとても便利で快適になっていますが、それを支えるさまざまなビジネスがあり、多くの人がそれを必要としています。残存者利益を目指すことは、地域の人たちの生活を支えることにつながるのです。

 

北海道でも千葉でも、私のところには農地やセレモニーホールを引き受けてくれないかという話がどんどん増えています。2023年1月には北海道で施設園芸の会社を買収しました。後継者がいないので、やってくれないかと向こうから話を持ち掛けられたものです。

 

その会社には草花を育てるための大きな温室があり、その使い道を社員と一緒に考えているところです。北海道は冬になると雪に覆われ、ペットの飼い犬が運動不足になります。そこで温室を使ったドッグランをやったらどうかといった案が出てきています。多くの人に喜んでもらえるのではないかと思います。

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葬儀会社が農業を始めたら、 サステナブルな新しいビジネスモデルができた

葬儀会社が農業を始めたら、 サステナブルな新しいビジネスモデルができた

戸波亮

幻冬舎メディアコンサルティング

市場が縮小する業界で生き残る! 外注業務の内製化を突き進めてたどり着いた異業種参入 経営危機から8つの事業を展開、 資産総額27億円まで成長できた戦略とは―― 日本の人口が減少するのに伴って、市場規模が縮小…

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