「定年後」の住宅ローン返済がきつくなったら…2つの定番「親子リレー返済」「リバースモーゲージ」の落とし穴【CFPの警告】

「定年後」の住宅ローン返済がきつくなったら…2つの定番「親子リレー返済」「リバースモーゲージ」の落とし穴【CFPの警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

大手銀行の住宅ローンの固定金利が10年ぶりに上昇し、住宅購入やローン返済に不安を抱いている人が増えています。住宅ローン相談実績25年・5,500件超の実務家FPとして活躍する平井美穂氏が、著書『金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識』(河出書房新社)から、住宅ローンの正しい知識をわかりやすく解説します。今回は定年後に住宅ローンの返済がきつくなったときの定番とされる2つの方法について解説します。

リバースモーゲージの注意点

ただし、リバースモーゲージの注意点として、長生きした場合に利息の支払いがかさむ点が挙げられます。

 

生存中は利息の支払いしかしないため、いつまでたっても元金が減りません。さらに、金利は住宅ローンの金利よりも高く、変動金利で借りるケースが多いので金利上昇時には利息の負担がもっと増えます。

 

60代の早い時期に借りてしまうと、およそ30年間も利息を払い続けることになり、途中で利息を払う資金も尽きてしまうかもしれません。

 

そうなると、生存中でも自宅を売却しなくてはならず、借りたお金を返した後は何も残らないという事態もありえます。

 

こうしたリスクも考慮にいれ、安易にリバースモーゲージに借り換えるのではなく、慎重に判断してください。

 

熟考した結果、リバースモーゲージを選ぶ場合は、やはり長期的な目線で家計の推移をキャッシュフロー表で確認し、途中でお金が尽きることのないよう戦略を練っておくことが重要です。

 

とはいえ、本来不動産は資産であり、自身が築いた資産は自身の代で有効に使い切る、という考えでうまく活用できれば、リバースモーゲージもアリだと思います。

 

最後に、もしまだ現役中の方で最終返済時の年齢が65歳を超えるローンを組んでいる方は、いまのうちにできることをしてください。ローンを子供に引き継ぐくらいなら、教育費は奨学金を利用し、ローンの返済を優先させる手もあります。

 

また、「iDeCo」(イデコ)や2024年から始まる「新NISA」を使って投資をし、節税しながら効率よく完済資金を貯めることも可能です。

 

 

平井 美穂

平井FP事務所

代表ファイナンシャルプランナー

 

金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識

金利上昇でもあわてない 住宅ローンの超常識

平井 美穂

河出書房新社

大手銀行の住宅ローンの固定金利が10年ぶりに上昇局面。すでに返済中の人、これからローンを組んで住宅を購入する人の不安や疑問に答え、正しい知識と賢い乗り切り方を授ける書!

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