(※写真はイメージです/PIXTA)

世帯年収1,500万円のA夫妻は、結婚を機に念願のタワーマンションを購入しました。しかし、その3年後、FPの助言をもとに売却を決断。将来の収入が約束されている夫婦が、なぜわずか3年で「勝ち組タワマン生活」を手放す決断をしたのでしょうか。牧野FP事務所の牧野CFPが解説します。

「タワマンの見栄」か「家族の幸せ」か…2人の選択は

無理をしてでも憧れのタワマン生活を続けるか、家族の幸せをとるか……見栄っ張りな2人は、住んで間もないうちに引っ越す場合の周囲の反応などが気になったものの、結果的には泣く泣くマンションを売却し、引っ越す決断をしました。

 

無理なく生活できる中古の戸建住宅を購入、安心して貯蓄できる生活に

次の日、夫婦は現在ローンを返済している銀行を訪れました。そして、タワマンを売却したいこと、また新たに住む家の住宅ローンを組みなおしたい旨を伝えると、銀行はすべて同意してくれました。

 

肝心のタワーマンションは、ここのところの価格高騰の影響もあり、購入額とほぼ同じ約1億円で売却できました。また、予算内の約4,800万円で、都心から離れた中古の一戸建てを購入。売却や購入に関わる諸費用も支払い、約1,800万円が手元に戻ってきました。

 

この一戸建てについては、ペアローンではなく夫のAさん単独で住宅ローンを組むことに。毎月の返済額は、これまでの28万4,582円から約15万円になります。

 

Bさんは、子育てが落ち着いたら職場に復帰する予定です。無事復帰できれば、毎月10万円程度貯蓄ができます。タワマンに住み続けていれば見込めない金額です。

 

また、A夫妻の年老いた両親は、「しっかり年金をもらっているから面倒はかけないよ」といってはいるものの、このところ病気がち。費用面で無理のない家に住み替えたことで、親の入院や介護といった費用の準備もできます。

 

夫婦は、「タワマンは手放したものの、漠然としたお金の不安を抱えることなく、安心して子育てができる。これでよかった」と安堵しています。さらに、「年に1回は旅行に行き、リゾートホテルの高層階に泊まりたい」という新たな目標を立てたと、笑顔で話してくれました。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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