(※画像はイメージです/PIXTA)

足元の米ドル/円はおよそ半年ぶりに140円台をつけるなど、円安が加速しています。そのようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、米ドル/円のレンジについて「円安は145円を上抜けて円安には進まないのではないか」と予想しています。その根拠とは、みていきましょう。

「6月FX投資戦略」のポイント

〈ポイント〉

・5月の米ドル/円は年初来の米ドル高値更新となった。米利下げ予想の修正で米金利が大きく上昇したことに引っ張られた面が大きいだろう

・米ドル/円は120日MAや52週MAとの関係から下落トレンドが展開している可能性が高く、その意味では上昇は一時的な動きと考えられる。徐々に過去の「一時的な上昇」を超えそうな動きになってきたが、米金利との関係からそれにも自ずと限度がありそう

・以上を踏まえると、6月の米ドル/円は135~145円で上昇が行き詰まる展開を想定

先月の振り返り…年初来の米ドル高値更新

5月の米ドル/円は137円台でスタート、一時は133円台まで下落しましたが、その後上昇に転じると年初来の米ドル高値を更新、先週までに140円を超えてきました(図表1参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表1]米ドル/円の日足チャート(2023年3月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

では、6月にかけて米ドル/円はさらに上昇するのか、そして2022年10月に記録した151円の更新に向かう可能性はあるか、考えていきます(図表2参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表2]米ドル/円の週足チャート(2022年3月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

5月の米ドル/円の動きは、基本的には米2年債利回りなど米金利の動きで説明できそうです(図表3参照)。要するに、一時3.8%程度まで低下した米2年債利回りが先週にかけて4.5%以上に上昇したことに連れる形で米ドル/円も140円まで上昇したと言うことです。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表3]米ドル/円と米2年債利回り(2023年4月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

この米2年債利回りは、基本的に米金融政策を参考に変動するものですが、5月がはじまった頃は、政策金利のFFレートを1%以上と大幅に下回っていました(図表4参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表4]米2年債利回りとFFレート(2018年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

要するに、FFレートの引き下げを先取りした動きとなっていたわけです。そんな米2年債利回りが先週にかけて上述のように大きく上昇したのは、米利下げ予想は「間違い」だったとして、それを是正する動きということになりそうです。それにしてもなぜこのタイミングで、利下げ予想の修正が広がったのでしょうか。

 

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