インボイス登録、した場合…フリーランス＆個人事業主のメリット・デメリットをズバリ回答！【税理士が解説】

メリット：安心してこれまで通りの取引を継続できる

インボイス発行事業者になるメリットには、これまで通りの取引を継続できる、新規取引先からも安心される、などがあり、発行しない場合と比べて、取引で不利にならないことにつながります。

インボイス制度が開始されると、買い手は消費税の仕入税額控除を受けるために、売り手（買い手から見た取引先）が発行するインボイスを受け取り、保存する必要があります。しかし、売り手が免税事業者だとインボイスの発行ができず、免税事業者に対して支払った消費税相当額を国に納める必要があるのです。

このことを念頭に置いて、企業の立場で考えてみましょう。

例えば、インボイス発行事業者であるAさんと免税事業者であるBさんに、同じ内容の仕事を同じ金額で発注することができるとした場合、Aさんと取引すると仕入税額控除を受けることができ、Bさんとの取引より消費税の負担が少なくなります。

対取引先で考えたときに、課税事業者に転換するメリットが見えてきます。自社だけでなく取引先の都合も頭に入れて、課税事業者になるかを検討するとよいでしょう。

デメリット：経理負担や納税負担が増加

一方のデメリットは、インボイス制度に対応するためのルールづくりや消費税の申告手続きなど、経理業務の増加です。また、これまで免税事業者だった場合は課税事業者に転換することとなり、消費税の納税負担が増えます。

★インボイス発行事業者になると起こり得ること

メリット：取引先からの安心感を得やすい。

デメリット：納税額や経理業務が増える。

［図表1］

★インボイス発行の可否による取引先からの影響　

インボイスを発行できることが、取引で不利にならないことにつながる！

［図表2］

葛西 安寿
税理士