政府によるエネルギー価格の負担軽減策とは
政府による電気代・ガス代の負担軽減策は、正しくは「電気・ガス価格激変緩和対策事業」といわれるものです。
2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づいて2023年1月から9月まで実施されています。
ウクライナショック等による世界的な燃料価格の高騰で、電気代・ガス代が値上がりするなか、家計支援の施策として行われているものです。
給付金ではなく「所得制限」もない
家計支援とはいっても、コロナ禍の初期に全国民に一律1人10万円支給された「特別定額給付金」や、2023年1月までに低所得世帯に給付された「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」と異なり、国民が直接お金をもらえるものではありません。
したがって、当然、給付金によくある「所得制限」もありません。
一部に根強い誤解があるようで、どうも「4万5,000円」という言葉がひとり歩きしてしまった感があります。
「補助金」を受け取るのは「電力会社」と「都市ガス会社」
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、個々の国民ではなく、電力会社・都市ガス会社に補助金を交付するものです。
その分だけ、事業者に電気代・都市ガス代を「値引き」してもらい、それによって国民の電気代・都市ガス代の負担が軽減される、ということなのです。
なんとなく回りくどい感じはしますが、電気・都市ガスの使用量に応じて値引きの恩恵を受けられるので、直接の給付金よりも公平な制度であるといえます。
補助額は以下の通りです。
【電気代】
・低圧契約の家庭・企業等:1kWhあたり7円(2023年9月は3.5円)
・高圧契約の企業等:1kWhあたり3.5円(2023年9月は1.8円)
【都市ガス代】
・1,000万㎥未満の家庭・企業等1㎥あたり30円(2023年9月は15円)