現在の所得税の税率
日本の所得税の税率は、所得の増加に応じて、増加部分に対して順次高い税率が適用される超過累進税率となっています。
令和4年4月1日現在の法令に基づく所得税の税率は図表1の通りです。
現行の所得税の税率は平成27年分以後のもので、所得金額に応じて所得税の税率が7段階に区分されています。また、平成25年~令和19年までの各年分の確定申告時には、所得税と復興特別所得税(原則その年分の基準所得税額の2.1%)をあわせて申告・納付する必要があります。
過去の税率の推移
所得税の税率は適宜見直しが行われています。過去の税率の推移を把握しておけば、今後の税率がどのように推移するのか予測することも可能です。
過去2回の改正で所得税の税率がどのように推移したのか見ていきましょう。
■平成11年分~平成18年分
平成11年分~平成18年分の所得税の税率は図表2の通りです。
所得税の税率は4つに区分されており、現在と比べてシンプルな内容でした。
■平成19年分~平成26年分
平成19年分~平成26年分の所得税の税率は図表3の通りです。
改正によって所得税の税率の区分が4つから6つに増えたほか、最高税率が37%から40%に引き上げられており、全体的に課税が強化されました。
現行の所得税の税率はさらに区分が7つに増え、最高税率が45%に引き上げられています。
日本の財政状況によっては、今後も高所得者の課税が強化される可能性が十分にあることを理解しておきましょう。
まとめ
所得税の税率は、適宜見直しが行われています。ここ数十年では、平成11年~平成18年、平成19年~平成26年と7年に1回のペースで見直しが行われており、そのたびに最高税率が引き上げられてきました。
現行の所得税の税率は平成27年から適用されているもので、令和5年で9年目を迎えます。見直しが必ず7年に1回のペースで行われるわけではありませんが、財源を確保するために消費税の税率引き上げが議論されていることを考えると、代替案として所得税の最高税率が引き上げられても不思議ではないでしょう。
そうなると、より富裕層への課税が強化されることになるため、今後の所得税がどのように改正されるのかを意識しておくことが大切です。
次回は、所得税の計算シミュレーションについて詳しく解説します。
ネイチャーグループ