「新NISA」のスタートを待つ必要はない
ここまでを読んで、「現行NISAよりも新NISAが充実しているのであれば、いまは投資せずに新NISAのスタートを待ったほうがいいのではないか?」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、結論、「現行NISAと新NISAの非課税枠はまったくの別物であるため、待つ必要はない」と筆者は考えます。
2023年のうちに現行NISAで投資をしたとしても、新NISAの生涯投資枠が減るわけではありません。仮に、一般NISAで現行の限度額である120万円の投資を行い、2024年以降も生涯投資枠で投資を続けた場合、最大1,920万円まで非課税で投資することができます(一般NISAは2027年まで利用可能)。
生涯投資枠の1,800万円を使い切る予定がなくても、一般NISAの場合は2027年までの5年間は非課税で運用が可能です。ロールオーバー(新NISAに移すこと)こそできないものの、生涯投資枠が余っているのであれば、多少の価格差は出ますが売却して買い戻すこともできます。
もちろん、2023年に現行NISAで投資をしても値下がりしてしまう可能性はあります。しかし、タイミングを気にしているといつまで経っても始められません。投資で運用成果が出やすいのは「長期投資」。早いうちのスタートが肝心です。
現行NISAのうちに始めておけば、新NISA口座も自動的に開設されますから、少しずつでも始めてみてはいかがでしょうか?
牧元 拓也
ファイナンシャルプランナー
株式会社日本金融教育センター