前回は、不燃材や断熱材の未施工を簡単にチェックする方法について説明しました。今回は、「ベランダと雨どい」、そして「塀の鉄筋」のチェックポイントについて見ていきます。

「雨どい」は実際に触って動かす

ポイント⑳ 雨水による被害を防ぐベランダ、雨どいの見方

 

雨どいは実際に触って軽く動かしてみましょう。取り付けが甘い場合だと、簡単に動いてしまいます。また、斜めに取り付けられていないかどうかも重要なチェックポイントです。

 

少し離れて見て、壁の縦線にまっすぐ沿っているか確認をしてください。

 

また、ベランダの床から立ち上がり部分の高さは、12センチメートル以上なければならないと決められています。これ以下だと、大雨が降ったときに、部屋に雨水が流れ込む事態になりかねません。

 

また、これに関しては、ゴミや土などで雨どいを詰まらせないようにすることが大事ですが、これは家の造りというよりも、暮らし方の問題です。

スマホのアプリでもできる「金属探査」

ポイント㉑ 塀の鉄筋チェックも忘れずに

 

住宅と同時に新しく造られた塀なら問題はないのですが、古くからある塀をそのまま使う場合は要注意です。古い塀には、鉄筋が入っていないことが少なくありません。鉄筋の有無によって耐久性には大きな差が出てきます。

 

新しく設置しない場合、隣の敷地との境目にある塀をそのまま使用することも少なくありません。手で軽く押しただけで揺れるような場合は、鉄筋が入っていないと考えて間違いないでしょう。

 

スマートフォンのアプリに、金属探知機がありますので、これを利用して壁内部の鉄筋の有無を確かめてみるのもいいでしょう。

 

コンクリート内部の鉄筋の状態を正確に知るには、プロの診断にゆだねることをおすすめします。私が使っているのは、高性能鉄筋探知機です。これを使うと、一般的な金属探知機よりも精度の高い検査が行えます。

本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

こんな建売住宅は買うな

こんな建売住宅は買うな

田中 勲

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅と比べて安く購入できる建売住宅は、特に地価の高い都心近郊で人気がありますが、実は流通している住宅の大部分が目に見えない欠陥・不具合を抱えているのが実情です。 実際に、断熱材のズレ・不足や、準防火地域にお…

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