前回は、「ベランダと雨どい」と「塀の鉄筋」のチェックポイントについて説明しました。新築物件の購入契約の前に確認したい「細部のキズ」について見ていきます。

「新築の家はきれい」は当たり前ではない!?

ポイント㉒〝雑〟な造りの家は後悔する可能性大

 

ここで、ちょっと気になるところを見つけたときのことについて、お話ししましょう。今までは、建物内覧の際のチェックポイントや建物の見方について説明をしてきました。しかし、ここで注意していただきたいのはメンタル面です。

 

新築の家だから、きれいなのが当たり前だという思い込みや、大きな買い物をする際の興奮状態によって、冷静な判断ができないことも少なくないと思います。こうした状態で臨むと、平常なら見えるはずのものも見えてきません。少しのことなら「まあ、いいか」と大きな気持ちになることもあります。

 

家の垂直状況、水平状況、断熱材の施工状況などがきちんとしていれば、家としての大きな問題はありません。立地条件や価格なども含めて、購入することに前向きなところに、営業担当者の煽るような売り文句をかけられても早々に契約を急がず、確かめていただきたいのは細かな点です。

 

◦ドアや窓枠のキズ
◦引き戸のキズ
◦フローリングのキズ
◦床下、天井裏、庭などに散乱するゴミ

「些細なキズ」に表れる職人の姿勢

これらは、小さなものでしたら引き渡しまでに補修してもらえればよいはずですし、散らかったゴミも片付ければよい、と思われるかもしれません。

 

しかし、これを造った職人の姿勢に疑問を感じてしまうのです。一戸建ては、買う人にとっては一生に一度の買い物である場合がほとんどです。さまざまなことを考え合わせたうえで、家を選ぶのです。建てる側には、雑ではなく、丁寧な仕事をしてほしいと願うのはムリなことではないはずです。

 

見えているのは些細なキズだけだとしても、どのような工事をしたのかが、その小さなキズに表れているように思うのです。

 

数カ所であれば偶然ということもありますが、キズのある箇所があまりに多い場合には一度、考え直してみてもよいかもしれません。

 

特に、不動産市場が大きく動くといわれる2月、3月という年度末の時期は、営業担当者からも「他に引き合いがある」といった急かせる言葉が出がちですが、その言葉に惑わされないようにすることが大切です。

 

その点からいえば、落ち着いて物件を探すためには、繁忙期の2月、3月を避けたほうがよいといえるでしょう。

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

    こんな建売住宅は買うな

    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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