「偏差値」の意味と計算方法を知る
受験の際に特に注目される数字が「偏差値」。「〇〇大学は偏差値が55」とか、「模試で偏差値が60を超えた」とか、いろいろな場面でこの言葉が使われます。
この「偏差値」というのは一体何ものなのでしょう? 「数が大きいほうがいい」というのはわかると思います。「50がちょうど真ん中」というイメージも持っているかもしれません。
ここでは、「偏差値とは一体何か?」という疑問にお答えしていきましょう。
偏差値の計算のもとになるのは、受験者全体の平均点と、そして標準偏差です。標準偏差とは、集団全体のバラつき度合いの大きさを表わしているのでした。
この2つの数値は、受験者全員の点数が出れば、自ずと決まることになります。
そして、その集団の中に、自分の点数があります。
偏差値の計算は、まず自分の点数と平均点の差を計算します。
「自分の点数」-「全体の平均点」
これは本書の中で触れている「偏差」のことです。これがプラスであれば平均点以上、マイナスであれば平均点以下ということになります。
次に、これを標準偏差で割ります。
(「自分の点数」-「全体の平均点」)÷「標準偏差」
なお割り算の計算は、次のように分数で表記しても同じ意味になります。
(「自分の点数」-「全体の平均点」)/「標準偏差」……★
分数の形で表記するほうが一般的ですので、以降はこの表記の仕方で進めていきます。
この計算は「自分の点と平均点との差が、標準偏差いくつ分にあたるか」を表わしています。
もし標準偏差が小さければ、この値は大きくなります。
「標準偏差が小さい」とは、全体のバラつきが小さいことを意味していましたね。そんな状況で、自分の点と平均点との差が大きければ、それは「すごい」ことを意味することになります。その場合、★の値が大きくなるわけです。
つまり、この★の値が大きいか小さいかによって、全体の中でどの程度「すごい」かが数値として表わされるわけです。