「増加率」で成長の様子が見える
仕事では「成長し続けること」が問われます。
私も会社員を経験した後に独立し、自身の会社を設立して7年が経ちました。その間、毎年「去年より売上を上げよう」「去年より利益を増やそう」という気持ちが1つのモチベーションになっていることは間違いありません。
会社や個人の「成長」には、大きく分けて、「目に見えない成長」と「数値で見える成長」がありますが、わかりやすいのは何といっても数値で見える成長です。
ここでは「数値で見える成長」に焦点を当てていきたいと思います。
■成長は「引き算」と「割り算」で見る
「数値的な成長」とは、端的にいうと「去年より今年、今年より来年の数字を上げる」ということになります。つまり去年と比較して今年は増えたか減ったか、という話になるのですが、これを判断するための数値の扱い方には2種類あります。
1つは「引き算」で見る方法です。「今年の数値-去年の数値」がプラスであれば、数値は増えています。逆にこれがマイナスであれば、数値は減っています。
もう1つが「割り算」で見る方法です。「今年の数値÷去年の数値」(これは「今年の数値/去年の数値」と書いても同じ意味です)が1より大きければ、数値は増えています。
逆にこれが1より小さければ、数値は減っていることになります。
つまり増えたか減ったかについて、「引き算」では符号(プラスかマイナスか)、「割り算」では1より大きいか小さいか、で判断します。当たり前の話ですが、いま一度の確認です。
たとえば、去年の売上が1,500万円で今年の売上が1,800万円だった場合を考えてみます。「引き算」で判断すると、
1800(今年)-1500(去年)=300
となるので、プラス300万円、つまり今年は去年に比べて300万円売上が増えている、と計算できます。
続いて「割り算」で考えましょう。これは結局、今年の売上は去年に比べて何倍になっているか、という計算で、
1800(今年)/1500(去年)=1.2倍
となります。この結果は1より大きいので、数値が増えていることが確認できます。
■エクセルで増加額と増加率を計算する
ところで、基準に対してどの程度の量なのかを表わす方法として、%がよく使われます。1.2倍を%で表現すると120%となりますね。これはつまり、去年の売上を基準にした時に、今年はその20%分増加している、ということを表わしています。
この「去年より何%増えたか」を表わす数値を、「増加率」あるいは「成長率」といいます。仕事をしていると、この増加率は本当によく見かけます。
さて、ここでTさんに登場してもらいましょう。
Tさんの仕事は、フルコミッション(完全歩合制)の営業です。完全歩合制ですので、営業成績がそのまま自分の給与に直結します。