小学生のデジタルアートが20万円の世界だったが…「バブルが弾けたNFT」の今後

小学生のデジタルアートが20万円の世界だったが…「バブルが弾けたNFT」の今後
(※写真はイメージです/PIXTA)

2021~2022年に起きた「NFTバブル」で世界中の注目を集めた、NFT(非代替性トークン)。特にアメリカでは、小学生のデジタルアート作品が20万円で落札されるなど、さまざまな形でビジネスの契機を生み出すテクノロジーとして話題となりました。本記事では、34LLCコンサルティング代表の石光正彦氏が、NFTがどのようなテクノロジーなのか、具体的なビジネスにおける活用例とともにわかりやすく解説します。

NFT(非代替性トークン)とは?

NFTは英語の”Non Fungible Token”の略です。日本語では”非代替性トークン”で、トークンは「価値がある」という意味です。といわれてもピンとくる方は少ないかと思います。

 

簡単にいうと、NFTは非常に特殊なデジタルデータです。そしてなにが特殊なのかを理解するうえで2つの重要なポイントがあります。1つは”非代替性”でもう1つは”ブロックチェーン”というテクノロジーです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

NFTが持つ「非代替性」とは?

非代替性とは替えが効かないという意味です。

 

たとえば、普通1万円札は1万円という価値があり、ほかの1万円札と交換してもその1万円の価値は変わりません。この場合、普通の1万円札は代替性トークンといえます。

 

しかし、この1万円札の番号が非常に特殊なものであると、非代替性が生じます。つまりほかの1万円札とは価値が違って、ほかの1万円札とは同じ価値として交換できないからです。

 

もう少しシンプルにたとえるなら、野球のボールはどこにでも売っており、その価値は同じです。同じ新品のボールは、ほかの新品のボールと交換しても価値は同じですので、代替性があります。

 

しかし、そのボールに大谷翔平選手がサインした瞬間、もうそのボールの価値はほかの新品のボールとは違う唯一無二となり、異なる価値が発生し非代替性が生じます。

 

NFTが持つ「ブロックチェーンテクノロジー」とは?

ブロックチェーンの説明は、非常にテクニカルかつ複雑ですので、ここでは説明しません。NFTを理解するうえで大事なポイントは、ブロックチェーンの技術は、「オリジナルのデジタルデータ」と「オリジナルでないコピーしたデジタルデータ」を見わけることを可能にしてくれるテクノロジーということです。

 

ブロックチェーンの技術によって、オリジナルのデジタルデータに唯一無二の証明を付与し、証明が付与されてないコピーとは違い、オリジナルは「NFT」という特殊なデジタルデータとなります。

NFTは非代替性を付与された「デジタルデータ」の1つ

[図表]NFTとは出所:著者作成

 

まずデジタルデータはいまや私たちの身の回りに当たり前のように存在しています。

 

たとえばデジカメで撮った写真、また音楽、コンピューターグラフィックス、デジタルアートなど、いまやさまざまなものがデジタルデータとして存在します。

 

従来デジタルデータはそもそも無限にコピー可能なため、現物の宝石や絵画のように希少性を証明することが難しく、資産価値があるとはみなされませんでした。しかしブロックチェーンという認証技術により、デジタルデータに唯一無二であるという証明書を付与することが可能となりました。

 

つまり、これによって著名な写真家のとったオリジナルのデジタル写真とそうでないコピーの写真との区別を可能にし、デジタル写真やデジタルデータにも希少性が付与され、資産価値のあるデジタルデータであるNFTが誕生するわけです。

 

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