NFTはどのように活用されている?事例を紹介
ではNFTは、実際はどのような形で活用されているのでしょうか? 特に収集ビジネスにおいて、NFTは大きな注目を浴びています。
デジタル写真アートがNFT化…「75億円」で落札
NFTを語る際に最も有名な事例は、2020年にドイツの写真家ビープル氏の“Everydays - the First 5000 days”というタイトルのデジタル写真アートのNFT化です。アメリカの老舗のオークションハウスのクリスティーズのオークションで、なんと75億円で落札されたのです。
このことでNFTは一気に注目され、また誰でも簡単にNFTの売買ができるオープンシーやレアラブルといったサイトが誕生し、NFTの市場がバブルのように一気に広がっていきました。これらのサイトはNFTのAmazonというべく、一般人が誰でも加入でき、また自分の持っているデジタル写真やアートを簡単にNFTに変換することを可能にします。
さらにはヤフーオークションやeBay※などと同じように、簡単にかつ手軽に販売できるサイトなのです。
※海外で15億以上出品されている商品を日本語で購入できる、世界最大級のオークションサイト
一部の有名なスポーツ選手や芸能人や著名人もNFTに目をつけ、自分をモチーフにしたデジタルアートを作成しNFTとしてこれらのサイトで販売し高価格価格で取引販売され、莫大な利益を得ることに成功しました。
2021~2022年に「NFTバブル」が発生…小学生の作品が20万円で落札
あるアメリカの記事では、小学生が学校に登校する前に自分のコンピューターで作ったデジタルアートをNFTのサイトで入稿し、学校から帰ってきたら作品が20万円の値段で落札されていたというエピソードが紹介されました。
2021年から2022年にかけて、特に欧米では猫も杓子もNFTといった風潮で、まさにNFTバブルでした。
アメリカのスポーツ業界はNFTに目をつけ、プロバスケットボールのNBAは独自のNFTのサイトを構築し、NBAが所有する過去の試合の名場面のビデオシーンなどを切りとりこれらのビデオ映像をNFTとして販売し大成功を収めました。
日本でも野球のパシフィックリーグ6チームが合同でNFTのサイトを作りNBAのNFTと同様に過去の試合の名場面のビデオクリップをNFTとして販売し始めました。
しかし2022年の後半からはこのNFTのバブルは弾け、NFT市場の価値は大きく下がり、ようやく落ち着いてきました。しかしバブルが弾けたとはいえNFTは一過性のものではなくさまざまな形での活用が始まっています。
バブルは弾けたが…高まり続ける、今後のNFTへの期待
デジタルと認証、所有という要素を持つNFTは、さまざまな活用方法があります。ある日本の大学ではNFTの卒業証書を発行したり、またイタリアの自動車メーカーのアルファロメオは車の車検をNFTで発行したり、収集の世界とは違ったNFTの利用が広がりつつあります。
そういう意味では、NFTは個人のメディカルカルテ、運転免許証、マイナンバーカードに適しており、近い将来活用される可能性があります。NFTは一過性のテクノロジーではなく、今後もさまざまな活用が期待できそうです。
石光 正彦
34LLCコンサルティング
代表 米国公認会計士
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