(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営をはじめたばかりのころは、立地条件のよいエリアを先取りし、順調に経営できていても、そのようなエリアには次々に不動産投資家が集まるものです。次第にアパート激戦区となり、入居者がほかのアパートに分散されるなど、当初のようには経営が上手くいかなくなるケースも少なくありません。今回は所有アパートの周囲にライバル物件が現れた際の、オーナーが取るべき対応策を解説します。

ライバル物件の建設で保有アパート周辺が激戦区に…

自分がアパート経営を始めたころは近所に賃貸物件がほとんどなかったのに、数年のうちに次々と新築されて競合が激化することがあります。特に便利で暮らしやすいエリアは潜在的な需要も高く、そのようなパターンを辿ることは当然ともいえるでしょう。また、ドミナント戦略のもとで、特定のエリアに的を絞って営業活動を行うアパートのデベロッパーも見受けられます。

 

こうして所有アパートの周辺にライバル物件がひしめくようになれば、おのずと空室リスクは高まってしまうでしょう。近所の別物件に移り住むために退去したり、ライバル物件のほうが人気で空室がなかなか埋まらなかったりするケースが想定されるのです。後発の物件は新築や築浅ですし、用いられている建材や設備が刷新されている可能性もあります。

 

そうなると、いち早くそのエリアでアパート経営に取り組んできたオーナーの所有物件が相対的に不利になってくることは避けられません。そのままなんの手も打たなければ、当初の見込み(期待収益)と賃貸経営の実態(手取りの家賃収入)とのあいだにギャップが広がってしまいます。

 

「先行者利得」とは、新たな市場に先んじて参入するなどして得られるメリットのことですが、残念ながら賃貸経営においては、逆に先行者がハンデを負ってしまうこともあります。

人気エリアで着実に選ばれるために必要な「差別化」

賃貸需要が高まりそうなエリアであるほど、いずれは競合関係が厳しくなるのは必然で、あらかじめ想定できることともいえます。そうなった場合もライバル物件と比べて色褪せてみえないよう、日頃からメンテナンスに力を入れておくことが重要です。

 

日頃の掃除やちょっとした修繕を怠っていると、たとえ築浅であっても不潔感から見た目の印象が悪くなりますし、実際の築年数以上に老朽化も進みがちです。清潔で手入れが行き届いている物件は、外観が多少古くても入居者から支持されやすいものです。

 

自分の所有アパートが周辺の競合物件と比べてかなり築古で、多少のリフォームでは人気の回復を図ることが難しい場合は、リノベーションを決断する必要も出てくるでしょう。その際には、今後の情勢も見据えて間取り面から見直すことも求められてきます。

 

たとえば、すでに増加傾向を示しており、今後もしばらくその傾向が続くと注目されているのが単身世帯です。ワンルームや1Kといった間取りに一本化し、そういった層をターゲットに絞るのも一考でしょう。併せて、入居者のニーズが高い設備を設置することも見逃せないポイントです。特に宅配ボックスの設置や無料Wi-Fi環境の整備は、ライバルに遅れを取らないためにも不可欠となってきています。

 

こうしたアップデートとともに、家賃の設定についても再検討する必要があります。アパートのオーナーにとって、家賃の引き下げは極力避けたいことでしょうが、築年数に応じた周辺相場と客観的に比較して割高である場合には、たとえ目先の収益性は低下したとしても、結果的に空室率が低下することが期待されます。

 

さらに、入居者募集の広告展開についても、工夫次第で費用対効果に大きな違いが出てくるものです。賃貸物件の仲介を営む不動産会社に依頼して広告を出稿するというのは、すでにパターン化されており、ほとんどのオーナーが行っていることです。

 

もっと差別化した広告を打つ場合には、入居希望者に注目されやすい媒体に着目するのがよいでしょう。たとえば20〜30代の単身世帯にアピールしたいなら、彼らが日頃からよくチェックしているSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)上で発信することもひとつの手です。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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