政策金利は11.25%に
■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は3月30日に金融政策決定会合を開き、政策金利を11%から11.25%に引き上げました。
■前回会合では米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ幅の倍にあたる0.5%の利上げを実施しましたが、今回は利上げペースを0.25%に緩めてFRBに追随した格好です。
インフレの減速で利上げペースを圧縮
■メキシコの2月の消費者物価指数(CPI)は農産物価格の下落を主因に前年同月比+7.62%にとどまり、大方の予想に反して前月の同+7.91%から減速しました。また、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアCPIも同+8.29%となり、前月の同+8.45%から伸びが鈍化しました。
■粘着性の高いコア・インフレの高止まりへの警戒感は残るものの、食品やエネルギー価格の下落から今後もインフレの減速が見込まれるため、中銀は利上げペースの圧縮に踏み切ったものと思われます。
今後の展開:高金利維持でペソは当面堅調推移、波乱要因は米金融政策
■インフレの減速基調が確認されたこともあり、メキシコの利上げは今回が最後か、あと1回0.25%の利上げで打ち止めとなりそうです。とはいえ、メキシコの政策金利は既にインフレ率を大きく上回る水準まで引き上げられており、現状水準が維持されるだけでも通貨ペソにとっては追い風となりそうです。ペソについては1米ドル=19ペソを中心とした堅調推移を予想していますが、FRBが今年夏以降に利下げに踏み切るようなことがあると、両国の金融政策の乖離が顕著になることで、ペソ買いが優勢となる局面もあるものと予想しています。
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三井住友DSアセットマネジメント株式会社