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外注費は法人と個人で答えが変わる理由
▶同居家族に外注して経費にできる?
答え △
■価格設定は世間相場を見て
この問題は、法人と個人で答えが変わります。
さきほど、役員報酬を使った節税について説明しましたが、外注費を使った節税も可能です。
毎月会社から役員報酬を払うほどではないけれど、ときどき社長の家族に単発の仕事をお願いしたいという場面をイメージしてください。そうしたときは、役員報酬ではなく外注費を払うほうが自然です。
この外注費は、業務に関連するものですから経費にできます。そして、外注費を受け取った家族が、これを生活費として使えば、実質的に生活費が経費になります。
ただ、この場合もやはり世間相場を意識しておく必要があります。たとえばデザインの仕事を社長の配偶者に外注するとして、デザイン料として一般的な価格に設定しておく必要があります。
また、きちんと外注業務を行ったことを明らかにするためにも、請負契約を交わしておくといいでしょう。
■個人事業の場合は経費にならない
次に個人のケースを説明します。個人の税金のルールでは、同一生計の親族に対する支払いは経費になりません。
給料であれ、外注費であれ、借金の利息であれ、経費を計上するのは不可能です。
たとえば、あなたがフリーライターで、配偶者が税理士だったとしましょう。このとき、税理士報酬を配偶者に払っても、その金額は必要経費にはできないのです。
個人で事業をやっていると、親しい家族のほうが仕事を頼みやすいと思いますが、いったん立ち止まってこの問題を考えるようにしてください。
家族に払う給与を専従者給与として差し引けますが、これは専従者のみに許されている例外です。
外注費には専従者給与のような制度はなく、生計を一にする親族に支払っても、個人事業者の節税にはまったく役立ちません。その代わり、お金を受け取った側には税金がかからないしくみになっています。
なお、このルールは生計が別の家族には当てはまりません。
したがって、別生計の家族に仕事を外注し、これを経費にすることは可能です。
ただしこの場合は払った側は経費を増やせますが、報酬を受けた人の税金や社会保険料が増える可能性があります。
小林 義崇
マネーライター