バズった動画は「水戸黄門方式」で量産するのが正解
YouTubeを立ち上げた直後はまったく注目されていなかったチャンネルでも、「半年100本」を達成するころにはYouTubeからも認識されはじめ、ある日バーッと伸びる動画が必ず生まれます。
このとき多くの企業が致命的なミスを犯します。
ようやくヒットが出たことを喜びながらも「よし、次のテーマでもヒットを狙おう!」と、せっかくのヒットを1回で終わらせて、すぐに次へ移ってしまうのです。
これではヒットの意味がありません。
YouTubeでは、1回ヒットしたテーマは切り口を変えて何回でも焼き直すのが正解です。パクリ、パクられることで伸びていく現象は、自社チャンネル内の動画にも当てはまるからです。
YouTubeの公式解析ツールである「YouTubeアナリティクス」でも、再生回数が多い動画については「この動画の傾向をつかみ、同じような動画を発信すべし」という分析結果を読み取ることができます。
つまりYouTube側も、ヒットした動画はあの手この手で量産しましょうと公式に推奨しているわけです。
しっかりした企業ほど「同じような動画ばかり配信するのは視聴者に失礼ではないか」「視聴者も飽きてしまうだろう」「またか、と思われるのでは」などと案じ、焼き直し作戦には消極的になりがちですが、そんな心配は無用です。
視聴者は飽きたり憤慨するどころか、気に入ったテーマの動画は何本でも見たいと思うものなのです。
水戸黄門やサザエさんを思い出してください。
水戸黄門はテレビ番組史上屈指の長寿番組ですが、その内容は驚くほどワンパターンです。旅先で出会った庶民を助けるために黄門さま一行が代官らの悪事をあばき、最後に「この紋所が目に入らぬか~」と印籠を掲げると、悪人たちは平伏して一件落着――。
この定型フォーマットのドラマを、日本人は飽きることなく40年以上にわたってひたすら見続けたのです。
サザエさんの方はもう少し話にバリエーションがあるものの、それでも全体としては「いつものメンバーが、にぎやかで平和な日常を送るアニメ」という枠を逸脱することはありません。
視聴者の多くは、まったく目新しい番組よりも、安心して見られる定番の番組を好みます。
作る側は飽きるかもしれませんが、見る側は飽きません。一時的に飽きたとしても、数か月後にはまた見たくなります。だからYouTubeでもヒットしたネタは「水戸黄門方式」で量産して、定期的に何回でもやる。それが視聴者ニーズに応えるということなのです。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら