PCR検査と偽陽性
以上の話から、新型コロナのPCR検査を連想された方は多いのではないでしょうか?
まだワクチンが世に出る前、国内のメディア等で「もっとPCR検査の数を増やすべきだ」という議論をよく耳にしました。
しかし、国民全体の感染率が低い状況では、無闇(むやみ)に検査対象を広げることは、右の例と同じように偽陽性になる確率が高くなり、デメリットも少なくありません。
一般に、無作為に検査を行なった場合、感染率(数学では事前確率という)が低ければ低いほど、偽陽性になる確率は高くなります。逆に言えば、感染率が高いことが予想されるクラスターなどの集団では、偽陽性になる確率は低いです。
医師が必要と判断(事前確率が高いと予想)した場合には速やかに検査を受けられる体制を整えることはもちろん有意義です。
「条件付き確率」は、しばしば人間の直感を裏切る結果を導きますが、それだけに、問題解決における数学の存在感を示してくれることも多いです。
永野 裕之
永野数学塾
塾長
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