え?「確かさ99%の検査」で「1万人に1人の不治の病」と診断されても「安心してください」ってどういうこと?? …直感とズレる「条件付き確率」が面白いワケ

え?「確かさ99%の検査」で「1万人に1人の不治の病」と診断されても「安心してください」ってどういうこと?? …直感とズレる「条件付き確率」が面白いワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

AIの発達は目覚ましく、今や「AIが人間の仕事を奪う」とさえいわれます。AIとうまく付き合っていくためには、AIが判断の根拠とする「数学」の素養が欠かせません。本記事では、大人向けオンライン個別指導塾を主宰する永野裕之氏が著書『文系でもわかるAI時代の数学』(祥伝社)より、日常生活の様々な局面に関わる「確率」の基本について、直感と異なる点にも触れながら、わかりやすく解説します。

PCR検査と偽陽性

以上の話から、新型コロナのPCR検査を連想された方は多いのではないでしょうか?

 

まだワクチンが世に出る前、国内のメディア等で「もっとPCR検査の数を増やすべきだ」という議論をよく耳にしました。

 

しかし、国民全体の感染率が低い状況では、無闇(むやみ)に検査対象を広げることは、右の例と同じように偽陽性になる確率が高くなり、デメリットも少なくありません。

 

一般に、無作為に検査を行なった場合、感染率(数学では事前確率という)が低ければ低いほど、偽陽性になる確率は高くなります。逆に言えば、感染率が高いことが予想されるクラスターなどの集団では、偽陽性になる確率は低いです。

 

医師が必要と判断(事前確率が高いと予想)した場合には速やかに検査を受けられる体制を整えることはもちろん有意義です。

 

「条件付き確率」は、しばしば人間の直感を裏切る結果を導きますが、それだけに、問題解決における数学の存在感を示してくれることも多いです。

 

 

永野 裕之

永野数学塾

塾長

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

文系でもわかるAI時代の数学

文系でもわかるAI時代の数学

永野 裕之

祥伝社

数理資本主義の時代を生き抜く「最強の教養」 政府が掲げる「Society 5.0」では、人とAIが共存する社会が謳われています。 そんな数理資本主義ともいわれる時代に、人とAIの共通言語となるのが「数学」。 本書は、個別指…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録