原油市場ならではの危険性
◆原油市場は変動が大きい
原油市場には、さまざまな参加者がいます。実際に原油の需要(実需)があって市場から購入するために参加している参加者のほかに、相場の変動で利益を得ることを目的として参加している投資家も多く存在します。
取引金額で見ると投資家の取引の方が多いため、政情不安や需給バランスの変動が予測される局面では、多くの投資家が一斉に一方向の取引を行います。そのため、投資家の思惑によって大きな価格変動が起こりやすいといえます。
自国内で原油をほとんど生産できない日本は、原油市場における変動が国内の物価に影響しやすい国であると言えるのです。
【Nobby‘s point】日本の再生可能エネルギー促進制度
日本には、改正FIT法に基づく再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」という特殊な制度があります。
これは、“再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)で発電した電気は、電力会社があらかじめ決められた価格で買い取る”ことを義務付けるもの。民間企業が再生可能エネルギーを事業化する際のリスクを軽減することを目的とした制度です。
再生可能エネルギー事業は初期投資がかさむため、成功するか見通しが難しく、参入に二の足を踏む企業が多くなります。固定価格での買い取りを保証することで、再生可能エネルギー分野への投資を促進しようという取り組みが「固定価格買取制度」なのです。
DJ Nobby
経済キャスター、金融コメンテーター、ラジオDJ