着実にお金をためていくには「計画」が重要
お金の習慣の中で大切なことの1つ、それはお金をためること。貯金を始めるのが早ければ早いほど、簡単にお金をためたり、増やしたりすることができる。多くの人は将来のために貯金をしようと考えるけれど、今のために貯金をしておくことも大切なんだ。貯金の習慣を身に付ければ、何かお金を使う必要ができたときのため、やりたいことができたときのため、緊急事態が起きたときのため、人を助けるときのために備えておくことができるだろう?
多くの人にとって、貯金ができない理由の1つに、計画を立てていないということがある。しっかりと貯金の計画を立てることで、いくらためるか、いくら使うか、何に使うかを把握することができるよ。きみが使える貯金計画として、4-3-2-1プランというものがある(図表1)。これは、支出(お金の使い道)を4つの入れ物に分けるというものだ。
きみの場合は、この4つに何を当てはめられるか考えてみよう。
4-3-2-1プランの内訳
<現在の出費のための貯金>
これには、定期的で、少ない額の買い物(50ドル〈6500円〉以下)が入る。例えば、お菓子や洋服を買う、友達と遊ぶときにかかるお金のこと。
<将来のための貯金>
これは、将来のためにとっておくお金だね。このお金は大学進学のため、初めての車の購入資金、投資用の資金などに使うことになるよ。
<大きな出費のための貯金>
これは、大きな買い物(50ドル〈6500円〉以上)のための貯金で、ためるのに時間がかかるもの。自転車、ゲーム、夏休みの旅行などがこれに当たるよ。
<人助けのための貯金>
これは、慈善団体やきみが参加しているグループなど、お金を必要としている人たちに寄付するためのお金だ。家族や友人に何か協力してあげるために使うこともできるよ。妹のガールスカウトで販売するチャリティ用のクッキーを買ってあげたり、親友が集めている募金に協力してあげたりするのもいいかもしれない。
貯金を「短期型」と「長期型」に分けてためる
では、お金をどこに預けるかを考えてみよう。前回の記事では、貯金できる場所には、従来の銀行、インターネット銀行、信用組合、証券会社などがあることを説明した。このようにたくさんの選択肢があると、どこに預けたらいいか迷ってしまうよね。
貯金には大きく分けて「短期型貯金」と「長期型貯金」の2種類がある。
短期型貯金には、定期的に必要になるものを支払うためのお金をためておくこと。「現在の出費のため」「人助けのため」のお金はこれだね。この種のお金は、使う頻度が高いので、簡単に引き出せるようにしておこう。まずは、きみの部屋にある貯金箱(アリソンも貯金箱を使っていたんだって)、靴が入っていた箱、大切なものをしまっておく箱なんかにしまっておくといいだろう。
長期型貯金には、夏休みの旅行や大学進学の費用など、将来必要になるお金をためておくこと。長期型貯金に当たるのは、「将来のための貯金」と「大きな出費のための貯金」だね。このお金はすぐに引き出す必要はないので、普通預金口座に預けたり、譲渡性預金(CD)を購入したり、株や債券のようなものに投資したりするといい。
預金方法ごとの金利を調べてみよう
口座の種類によっては、ほかの口座よりも高い金利を提供している場合がある。
本稿の最後に、ぼくたちからいろいろな口座の金利を調査するように宿題を出すよ。大人と一緒に調査して、後で参考にできるように必ずメモを取ってね。
→地元の銀行の普通預金口座:町の銀行を2~3ヵ所訪れて、普通預金の金利がどのくらいか聞いてみよう。
→地元の銀行の譲渡性預金(CD)(日本の場合は定期預金):銀行に行ったら、1年、3年、5年の預金でどのくらいの利子が付くか聞いてみよう。
→オンライン預金口座:インターネット銀行を2つか3つ検索し、それぞれの金利を書き留めておこう。
これらの情報をもとに、どの預金方法が最適かを判断することができるよ。
ディリン・レドリング/アリソン・トム
カリフォルニア州オークランド在住の夫婦。イーベイなどのインターネット企業で働きながら資産形成に励み、2015年に40代前半にして早期リタイアを実現。2016年に「RetireBy45.com」というサイトを立ち上げ、FIREをめざす人たちにアドバイスや情報提供を行っている。著者らは『フォーブス』誌や、「ビジネスインサイダー」、「ヤフーファイナンス」などでも紹介されている。その他の共著に『Start Your F.I.R.E. (Financial Independence Retire Early): A Modern Guide to Early Retirement(FIREの始め方――早期リタイア入門)』(未邦訳)がある。