「専業主婦のくせに銀行員の俺に口を出すのか!」33歳妻に壮絶なモラハラ…。離婚調停では「解決金100万円で」→あまりに酷い“銀行員モラハラ夫の実態”【弁護士の実録】

「専業主婦のくせに銀行員の俺に口を出すのか!」33歳妻に壮絶なモラハラ…。離婚調停では「解決金100万円で」→あまりに酷い“銀行員モラハラ夫の実態”【弁護士の実録】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「お前の服なんか誰も見てない。美容院にも行くな!」自分はブランド品で身を固め…。「俺は営業職なんだからいいんだ」──今どきこんなモラハラ夫が、現代に存在すると信じられない人も多いでしょう。コロナ禍によるテレワークなどにより、夫と家にいる機会が増えたことで、いま離婚の件数は増加傾向にあります。そんな中増えているのが「モラハラ夫」。「モラハラで離婚はできない」なんて言われることもありますが、しっかりと準備をすれば離婚をすることはできます。実例を交え、離婚問題に詳しい弁護士の堀井亜生氏が著書『モラハラ夫と食洗機』(小学館)で解説します。

D子さんがまず口にしたのは、離婚でも別居でもなく「美容院に行きたいんですが、どうしたらいいでしょうか」という言葉でした。

 

話を聞くと、夫に物を買うことを許されなかったエピソードが出るわ出るわ……。写真を見せてもらうと、夫は身なりの良い銀行員風ふうで、とても妻にこんな古風な強制をしている人には見えません。

 

夫の母親もとても質素な人だったそうで、夫は自分の中の「質素な妻像」にD子さんを当てはめようとしているように見えました。

 

 

キャラクターもののポーチを見せてはしゃぐ姿に

D子さんに、夫との生活費の話し合いを提案すると「お金の話をしたら何をされるかわからない」と言いました。まだ若く、子どももいないため、D子さんが実家に戻ったあと、夫に対して離婚調停を申し立てました。

 

夫は「離婚には応じるが、財産の額は教えたくない。代わりに解決金として100万円を支払う」と言ってきました。

 

しかし、勤務先の銀行に口座があることは確実で、隠し続けてもいずれ強制的に開示されると伝えたところ、しぶしぶ財産の資料を提出してきました。夫が婚姻中に貯めた預金は数百万円ありました。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

夫は財産を隠したまま、半分よりはるかに少ない額の提案をして離婚しようとしていたのです。裁判官から夫への説得もあり、最終的にD子さんは、夫が貯めた預金を半分もらって離婚できました。

 

今どきこんな夫が本当にいるの? と思うかもしれません。しかし、妻にスカートを履くな、化粧をするなと禁止するタイプの夫は今もいます。生活費を渡さないのはモラハラ夫の常とう手段ですが、このタイプの夫にはさらに嫉妬による束縛も加わっています。

 

LINEなどのやりとりを見ても、「妻は慎ましくして家を守り、夫だけに尽くすもの」という昨今むしろ珍しい価値観にとらわれていることがわかるのです。派手にするというほどでなくても、化粧をして好きな服を着ることは、多くの女性にとって大事なアイデンティティです。

 

それを厳しく禁止されるのは本当につらいもので、このタイプのモラハラを受けている妻たちは、皆さん生気がなくなってしまった顔で相談にやってきます。

 

離婚後に挨拶に来たD子さんは、可愛いキャラクターの描かれた化粧ポーチを私に見せて、「先生、これ買っちゃいました! 可愛いでしょう?」とはしゃいでいました。高い服を着ているわけでも、派手なメイクをしたわけでもありません。

 

でも、好きなものを買って身につけるだけで、こんなに人は生き生きとした姿になれるのだと驚きました。

 

〈まとめ〉
質素の名のもとの美容禁止モラハラは嫉妬とケチの合わせ技

※本連載は、堀井亜生氏の著書『モラハラ夫と食洗機』(小学館)より一部を抜粋し、再編集したものです。

モラハラ夫と食洗機

モラハラ夫と食洗機

堀井 亜生

小学館

2000件を超える離婚・恋愛トラブルを扱ってきた弁護士、堀井 亜生氏が、実際に見聞きしたモラハラの実態を紹介し、それらを分析して、「正しい別れ方」と、別れた後に「過去に決着をつける方法」を解説します。 家族のあり方…

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