(写真はイメージです/PIXTA)

61年ぶりに人口減を記録した中国。一人っ子政策の是正が進んでいますが、そのなかで中国人女性の意識には大きな変化がみられるといいます。ニッセイ基礎研究所の胡笳氏によるレポートです。

結婚よりも持ち家が心の支えに

住宅を取得する動機について、同じく貝殻研究院の調査結果では、36.07%の女性は「結婚より家を持つと安心感がある」と答えた。また、29.59%の女性は、自分の家を持つと「家庭内の発言権が増す」と考えている。中国女性にとって、持ち家の取得は自分の将来への「投資」であることに加え、安心感を求める手段となっていることがうかがえる。

 

中国女性の労働参加率はすでに先進国並み*6であることから、女性の経済的な独立に伴い、「結婚は必須でない」という気持ちは今後さらに強まるだろう。

 

【図表3】
【図表3】

 

中国では、住宅の価格を抑制するため、住宅の取得に対する規制が厳しく、地域によっても異なるが、住宅ローンの借入限度額が住宅価格の70%以下に制限されることが一般的であり、借入金利も約5%と高い*7。女性による住宅の購入は決して容易なことでなく、賃貸のほうが割安だが、それでも中国女性は持ち家を選ぶ傾向がある。中国では、「男性は結婚のために家を買うが、女性は独身のために家を買う」と言われ、結婚より持ち家を志向する状況がしばらく続くのは間違いないだろう。

 

*6:国際通貨基金(IMF)(2018)「アジアの働く女性たち」、2018年9月。

https://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/fandd/2018/09/pdf/banerji.pdf

*7:融360デジタルテクノロジー研究院公表データより。https://www.r360insights.com/insights/index/datas

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年2月9日に公開したレポートを転載したものです。

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