(※画像はイメージです/PIXTA)

本連載では、監査法人東海会計社の代表社員である小島浩司氏と、税理士法人中央総研資産税部所属の税理士である福嶋久美子氏が、共著である『税金入門 2022年度版』から、最新の税金に関する知識についてわかりやすく解説します。今回は、税金を誰がかけ、どこで徴収するか、何を基準として税金をかけるのか、税金を負担する人と税金を納める人の違いなど、まずは税金を分類して基本を見ていきます。

“税金を負担する人”が“税金を納めるのか”

1.直接税と間接税に区別される

税金を実質的に負担する人と税金を納める人が同じかどうかという観点から税金を分類すると、直接税と間接税に区分されます。

 

直接税:税金を実質的に負担する人が、その税金を直接納めるものをいいます。例えば、所得税、法人税、あるいは事業税や固定資産税などの税金は、負担する人と納める人がイコールですから直接税です。

 

間接税:税金を実質的に負担する人と税金を納める人とが異なっているものをいいます。例えば、消費税、酒税、たばこ税などの税金は、小売店などの販売価格に含まれています。そのため、商品を購入する一般消費者が、実際に税金を負担しますが、税金を納めるのはそれらの税金を預かった小売店です。ですから、これらの税金は間接税となります。

 

2.税負担の公平にも2つの見方がある

だれもが自分の税負担は重いと考えています。ですから、税金を公平にかけることが必要です。しかし、一口に税負担の公平といっても、次のように2つの考え方があります。

 

(1) 垂直的公平

 

大きな経済力をもつ人は、より多くの税金を負担すべきであるという考え方で、所得税、相続税、贈与税に対して超過累進税率が適用されています。税額の算出において、課税標準等が大きくなればなるほど、税率が高くなっていきます。

 

(2) 水平的公平

 

消費の大きさが等しければ、等しく税金を負担すべきであるという考え方です。まさに、消費税やたばこ税などが該当します。

 

前者の垂直的公平という税負担の仕組みは、国民の所得や資産の再分配を行う役割を果たしています。しかし、所得課税への偏りが大きいため、最近は水平的公平を重視する考え方が高まってきています。

 

[図表2]直接税と間接税

 

 

 

小島 浩司

監査法人東海会計社 代表社員

 

福嶋 久美子

税理士法人中央総研資産税部 税理士

 

※ 本連載は、福嶋久美子氏、小島浩司氏の著書『税金入門 2022年度版』(経済法令研究会)より一部を抜粋し、再編集したものです。

税金入門 2022年度版

税金入門 2022年度版

小島 浩司 福嶋 久美子

税理士法人中央総研

本書は、主に金融機関の各種提案の基礎となる税金の理解のために、各税目の課税の仕組みやポイントについて豊富な図解・図表と各章の「理解度テスト」を用いて解説した入門書のリニューアル版です。 東海地区において、税務会…

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