(※画像はイメージです/PIXTA)

回転寿司チェーン大手「スシロー」で、高校生の少年が醤油ボトル、湯呑み、寿司に唾液を付着させた事件について、どのような法的責任が問われるのか、とりわけ賠償額がいくらになるのかが、話題となっています。本記事では、一切の感情を排し、少年が問われる可能性のある法的責任の中身について、刑事責任と民事責任に分けて解説します。

◆「事実的因果関係」すらあやしい…

それでは、「事実的因果関係」は認められるでしょうか。

 

動画が拡散されたのは1月29日(日)なので、その前の1月27日(金)以降のスシローの株価の「終値」の動きを確認してみると、以下のように推移しています。

 

【株式会社FOOD & LIFE COMPANYの株価(終値)の動き(2023年1月27日~2月9日)】

・1月27日(金):3,015円

・1月30日(月):3,015円(→)

・1月31日(火):2,870円(↓145円)

・2月1日(水):2,928円(↑58円)

・2月2日(木):2,882円(↓46円)

・2月3日(金):2,935円(↑53円)

・2月6日(月):2,996円(↑61円)

・2月7日(火):3,280円(↑284円)

・2月8日(水):3,200円(↓80円)

・2月9日(木):3,220円(↑20円)

 

たしかに、株価は1月30日から2月2日までで133円下落しましたが、その間も2月1日にはいったん58円上昇しています。また、2月3日以降は上昇に転じ、2月9日(木)時点での終値は3,220円と、事件前よりも高水準になっています。

 

さらに、「Yahoo!ファイナンス」で2022年9月以降の値動きを確認すると、同年9月1日に2,070円だったのが、上昇と下落を小刻みに繰り返しながら、上昇してきているという大まかな傾向がみられます。その流れのなかでは、1月27日~2月3日の動きは一時的かつごく軽微なものと評価せざるを得ません。

 

ましてや、その値動きに対し、少年の行動がどの程度の影響を与えたのか、立証することは事実上もきわめて困難です。

 

「相当因果関係」以前に、「事実的因果関係」の立証すら、あやしいということです。

刑事責任はどうか?

少年の刑事責任については、実際問題として刑事裁判にかけられることは考えにくいものの、一応、どんな犯罪が成立しうるか確認しておきます(あくまでも一応です)。

 

一連の行為について「威力業務妨害罪」(刑法234条)「器物損壊罪」(刑法261条)の2つの犯罪に該当する可能性があります。

 

「威力業務妨害罪」は、少年の行為によって、スシローが醤油ボトル、湯呑み、回転レーン等の清掃等の余計な業務を強いられたことについて成立します。

 

なお、「業務妨害罪」には「威力業務妨害罪」のほか「偽計業務妨害罪」(刑法233条)があります。「威力」と「偽計」の区別については、近時の通説は、「公然と行われた」場合が「威力」、「非公然で行われた」場合が「偽計」としていますので、それに従います。

 

次に、「器物損壊罪」については、唾液を付着させられた寿司が売り物にならなくなったことが該当します。なお、店の備品である醤油さしや湯呑みを買い替えなければならなったのであれば、それも該当します。

 

いずれにしても、刑法上問題となるスシローの損害は軽微なものといわざるを得ず、かつ、業務妨害罪や器物損壊罪で少年が刑事裁判にかけられることは考えにくいといえます。

 

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