建てられた時から劣化が始まるマンション
建物全体の汚れ、タイルの剥がれ、デザイン等を見た時に、このマンションも古くなってきたなと思う方が多いのではないでしょうか。
それは建物も人間と同じように建てられた時から劣化するためです。人間が健康で長生きするために定期的に健康診断を受け予防や早期治療を行うように、建物も長寿命化するためには、定期的に修繕、設備の更新等を行うことが重要です。
この定期的な修繕等に備え、予め計画的な長期修繕計画書を作成し、この計画に基づき、おおよそ10年~12年周期で実施される、高額の費用を伴う大規模修繕や小修繕を必要な時期に実施できるよう修繕積立金を積み立てます。
この長期修繕計画と建物状況に応じて実施された修繕等によって長寿命化できるかが決定します。
建物の劣化スピードを抑える日常のメンテナンス
例えば、建物躯体の耐震性が低下すれば人命に関わるため、計画外でも先延ばしできませんし、エレベーターの更新は多額の費用を伴いますが、長期修繕計画の作成年数によっては考慮されておらず、一時金が発生するケースもあります。
また、建物の築年数が経過するほど修繕費用が増大するということも考慮しておかなければなりません。他にも劣化を緩やかにするポイントとして、清掃やメンテナンス状況があります。
築年数にも関わらず古さを感じさせない建物は、これら日常管理がしっかりと行われているため、劣化スピードが緩やかなのでしょう。実際には、建物の構造、設備の種類、外装材の種類等によって、内容や費用も変わります。
また、近年のコンクリート性能や寿命、設備機器の性能、利便性等は飛躍的に進歩しています。将来に渡る費用対効果も考慮しながら、修繕と建替えを検討しましょう。
[図表1] 計画修繕・長期修繕計画・修繕積立金の仕組みの運営概念
[図表2] 計画修繕・改修の重要性