「利上げはあと2回…」米国「インフレ脱却」の初期段階に突入も、パウエル議長の発言にただよう「そうじゃない感」

「利上げはあと2回…」米国「インフレ脱却」の初期段階に突入も、パウエル議長の発言にただよう「そうじゃない感」
(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数21,958.36 pt (▲0.52%)
中国本土株指数 7,505.79 pt (▲0.72%)
レッドチップ指数  3,996.70 pt (▲0.92%)
売買代金1,400億5百万HK$(前日1,555億7百万HK$)

米FRBは利上げ継続を表明

米国の連邦準備制度理事会(FRB)は1日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%幅で引き上げた。パウエル議長は、会見で「ディスインフレの初期段階であり、経済全体に広がるには時間を要する」と発言し、今後も段階的に利上げを継続することを示した。

 

今回の利上げ自体は市場の予想通りの結果となったものの、FRBとして、金利を引き上げてきた効果が現れ、インフレ抑制につながりつつあるとの認識を示したことは、マーケットにとってポジティブ・サプライズとなった。インフレとの戦いに進展がみられ、利上げもあと数回(パウエル議長は2回程度を示唆)というところまで来ていることを印象付けた。

 

金融市場の金利見通しは、今年の6月までに政策金利がピークを付け、年後半からは低下し始めることを織り込んでいる。このシナリオへの支持は多く、引き締めサイクルの終わりが見えてきたことを好感して、株式市場は年初から底入れから強気に傾きつつある。

 

ただ、パウエル議長の発言を聞く限り、インフレ鈍化には時間を要することを考慮に入れるべきだろう。また、市場が織り込んでいる利上げの回数は、0.25%幅を1回である。2回を示唆したパウエル発言とは隔たりがある。どちらが正しいかは、インフレ率の動向次第だが、パウエル会見の後でも、金利が低下した反応には、違和感が残る。

香港ハンセン指数は反落

中国の景気持ち直し期待は根強いものの、1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は予想以上に現実が厳しいことを示した。

 

このため、2日の香港株式市場は上値が重い展開が続いた。ハンセン指数は朝方、米金融引き締めの警戒感後退で堅調に始まったが、午後には一転して下げ、結局、前日比0.52%安まで下落して引けた。

 

春節の連休を終えて経済再開の期待で堅調だったリオープン銘柄が軟調となり、大手カジノの澳門博彩(0880)は3.3%安、金沙中国(1928)は2.7%安、カジノ運営サービスのマカオ・レジェンド(1680)は2.3%安と下げた。レストランチェーンでも海倫司国際(9869)は4.5%安、九毛九国際(9922)は3.6%安、呷哺呷哺(0520)は3.4%安と下げた。

 

1月の中国の不動産販売が昨年に続き低調だったことなどもあり、不動産株で構成されるハンセン不動産指数は前日比3.19%安と他指数をアンダーパフォーム。時代中国(1233)は7.1%安、不動産サービスの碧桂園服務(6098)は6.0%安、不動産開発の碧桂園(2007)は4.0%安だった。

 

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は0.02%高とアウトパフォーム。オンラインゲームの金山軟件(3888)6.5%高、インターネット検索大手の百度(9888)は5.0%高、部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は4.3%高だった。

 

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.02%高の3,285.67と続伸、CSI300は同0.35%安の4,181.15だった。上海総合指数は約5ヵ月ぶりの高値だっただけに上値は限定的となっている。

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

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