配当利回りが「5%以上」の企業を探す
■高配当銘柄は意外にある
四季報で配当の高い企業を確認してみると、意外にも高配当銘柄は多いことがわかります。この理由のひとつに、株主への還元姿勢が強くなっている点が挙げられます。なかには、以前では考えられなかった配当性向50〜100%といった企業も出始めています。
こうした状況から、配当利回りが5%以上ある企業を探していくと、配当生活を目指せる可能性があります。経済情勢や為替動向などに企業業績は左右されるため、高配当が続くかはわかりませんが、少なくとも現時点で高配当であれば、投資候補となります。
■高配当銘柄は株価が下がりにくい
高配当銘柄のよい点は、一時的に株価が下がっても、すかさず買いが入ることです。株価が下落し、さらに高配当となり、買増しが行われた結果、株価は下がりにくくなります。
こうした状況でのリスクは、配当が下がった場面にあります。特に利益連動型の配当の場合、利益が減少すれば配当も下がり、結果株価も下落する可能性があります。そのため、配当利回りが5%以上の企業の株式を複数購入する、定期的に購入するといった手法を用いてリスクヘッジもしておきましょう。
「10期以上」連続増配の銘柄が狙い目
■着実に配当を出す企業を探す
毎年増配することは、配当が増加することで投資金額に対する配当利回りは高まり続けるということです。投資家にとって、これほど嬉しいことはないでしょう。そこで、10期以上連続増配の企業を探してみましょう。意外にも日本企業の中にも10期以上連続増配の企業はあるのです。
■ザイ・オンラインの記事を参考にしてみる
10期以上連続増配を遂げる企業を探す主な方法としては、①「ザイ・オンライン」の記事から探す、②配当金チェッカーから探す、③マネックス証券の10年スクリーニングから探す、の3つの方法が挙げられます。
ひとつ目のザイ・オンラインの記事は、毎年更新されるもので、連続増配株ランキングトップ20社がわかります。2つ目の配当金チェッカーは最近は更新されていませんが、過去の連続増配企業を探すことは可能です。3つ目の10年スクリーニングは、5期以上連続増配の企業は探せますが、10期以上では探せないのが難点です。
最も簡単に探せるのは、ザイ・オンラインの記事です。長期で連続して増配する企業は今後も連続増配を期待してよいでしょう。
「四半期ごと」に定期的に配当を出す銘柄を選ぶ
■四半期ごとに注目を浴びる可能性あり
3月決算の企業の場合、3月または9月に年1〜2回配当を出すことが多いです。しかし、最近では四半期ごとに配当を出す企業もあります。四半期ごとに配当を出す企業に投資することで、定期的な配当収入を得ることはもちろんのこと、配当がもらえる時期に売買することで利益を稼げる場合があります。
最初から配当狙いの場合は、四半期ごとに配当を出す企業に複数投資してリスク分散を図りながら、定期的な収入を得られるようにしましょう。株価にかかわらず定期的に購入し、配当を積み上げれば、いずれ配当生活が送れる可能性があります。ただし、業績や配当の状況はしっかり確認したうえで投資しましょう。
■配当が得られる時期に売買して利益を稼ぐ
配当を目的とせず、売買益重視の場合は、四半期ごとに配当を出す企業の株価のクセを研究しましょう。特に高配当を出す企業などでは、配当を得られる時期になると株価が動くことがあります。権利落ちで配当以上に株価が下がる傾向にあるのであれば、配当が出る時期の直前に売り、配当以上に株価が下がったところで買うといった方法が検討できます。
伊藤 亮太
スキラージャパン株式会社 取締役、ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学大学院商学研究科修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社時代には社長秘書、営業、経営企画部門等に勤務。2007年11月にスキラージャパン株式会社設立。現在は、資産運用や保険、年金に強いFPとして、数多くの執筆・相談を手掛けている。著書に『株取引の要点 買いのタイミングはココだ』(技術評論社)、『キホンから新常識までまるわかり!超図解 お金再入門』(PHP研究所)など多数。