「紙幣刷新」関連で狙いたい3社
■2024年度上期を目途に紙幣刷新
2024年に新紙幣がお披露目となります。新たな偽造防止機能が取り入れられ、肖像の3D画像が回転するホログラムが世界ではじめて紙幣に導入される見込みとなっています。
株式投資という観点からは、紙幣刷新により特需が発生する企業が狙い目です。銀行や街中に設置されているATMや自動販売機は、新紙幣に対応しなければいけません。そのため、改修や買い換えを行う必要があり、貨幣処理を行う機械をつくっている企業で特需が発生します。
■1兆円ほどの特需が発生する可能性も
第一生命経済研究所の試算によれば、ATMやキャッシュディスペンサーの3割が買い換えられ、残りは改修される場合、3709億円ほどの需要が発生する模様です。店舗や街中に設置されている自動販売機の買い換えなどを含めると、キャッシュレスの時代であっても、1兆円ほどの特需が発生する見込みとなっています。
こうした特需において恩恵を受けそうな企業として3社挙げておきます。日本金銭機械(6418)、高見沢サイバネティックス(6424)、グローリー(6457)です。
戦争勃発時は「軍需企業6社」を狙う
■ただし、市場は国内に限定される
日本では武器輸出三原則のもと、例外を除き、ほとんどが自衛隊に納入されています。そのため、日本に大きく影響のない有事の場合には、日本の軍需企業の株価は大きく変動しない可能性があることに注意が必要です。あくまで日本企業の場合は、日本に直接または間接的に関係のある有事が発生した場合に株価上昇が期待できるのです。
■軍需企業6社の“実名”
日本の軍需企業といえば、三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、富士通(6702)、IHI(7013)、三菱電機(6503)、NEC(6701)です。イージス艦や10式戦車といえば三菱重工業、哨戒機や大型輸送ヘリなど製造する川崎重工業、自衛隊機のジェットエンジンはIHIが主に製造しています。
この6社は、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表する武器生産販売額世界トップ100に入っていることもあり、世界で見ても名だたる軍需企業といってよいでしょう。仮に台湾有事など日本に関連または近隣で発生する有事が生じた場合には、これらの銘柄を買っておくとよいでしょう。
身近な企業に注目!インバウンド増加時に伸びる業界は
■観光産業の伸びに期待
コロナ禍から徐々に正常化へと歩みだしていくと、今後訪日客の増加が見込まれます。こうしたなかでインバウンドの恩恵を受ける業界にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず思い浮かぶのが、ホテルや旅行会社などの観光業界でしょう。また、鉄道や飛行機需要も増加するものと見込まれます。特にインバウンドだけではなく、日本人旅行者も増加している場合は、今後鉄道や飛行機の需要はさらに回復していくことが予想できます。
■円安での株価上昇にも注目
このほかに期待できる業界としては、電化製品販売店、100円ショップなどではないでしょうか。
円安が続く状況下では、「日本はモノが安い」と感じる外国人旅行者による爆買いを期待でき、株価にも反映されていくでしょう。
加えて、日本のアートやコインなど、ひそかに外国人から人気があるものを取り扱うオークション会社も株価が上昇する可能性があります。そうしたものを取り扱うオークション会社などの業績も上向く可能性があるでしょう。
伊藤 亮太
スキラージャパン株式会社 取締役、ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学大学院商学研究科修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社時代には社長秘書、営業、経営企画部門等に勤務。2007年11月にスキラージャパン株式会社設立。現在は、資産運用や保険、年金に強いFPとして、数多くの執筆・相談を手掛けている。著書に『株取引の要点 買いのタイミングはココだ』(技術評論社)、『キホンから新常識までまるわかり!超図解 お金再入門』(PHP研究所)など多数。