不公平な「遺言」で兄が遺産1,000万円を独り占め…「遺留分」を請求するといくら相続できる?【弁護士が解説】 (写真はイメージです/PIXTA)

一部の相続人への最低限度の相続分が保証される「遺留分」。仮に遺言があったとしても「遺留分」を無視することはできません。本記事では、遺言により兄が全額の遺産を相続しようとしたケースを中心に「遺留分」について、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

「遺言」よりも優先される「遺留分」

「遺留分」とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限度の相続分のことです。 最近相続の現場では「遺留分」の請求が増えてきています。遺留分は遺言があっても請求できますが、請求金額をめぐって訴訟になることも少なくありません。 また遺留分は遺産分割とは異なり、請求しないと認められない権利となります。

 

[図表1]遺留分とは?

 

「遺言」がある場合は、いったんは遺言どおりに遺産がわけられます。 しかし、遺言によって取得した財産が「遺留分」より少ない場合は、「遺留分」より少ない財産しか取得しなかった相続人が、多く財産を取得した相続人に対し、遺留分を請求することができます。 そのため、「遺留分」は、「遺言」に優先するといわれています。

誰が遺留分を請求できるのか?

遺留分を請求できる人は、「兄弟姉妹以外の法定相続人」となります。 兄弟姉妹以外の法定相続人であれば、代襲相続人や養子も、遺留分を請求することができます。兄弟姉妹が法定相続人となる場合は「遺留分」の請求はできませんので、「遺言」があれば遺言どおり遺産がわけられることになります。

遺留分として認められる「割合」

遺留分として認められる割合は、以下のとおりです。 ほとんどのケースでは、【法定相続分×1/2=遺留分割合】となります。

 

[図表2]相続人別の遺留分の割合

 

遺留分割合の例

■ケース1:相続人が配偶者、長男、次男の場合

 

[図表3]相続人が配偶者、長男、次男の場合

 

・配偶者の遺留分割合 1/2(法定相続分)×1/2=1/4

・長男の遺留分の遺留 分割合1/4(法定相続分)×1/2=1/8

・次男の遺留分の遺留分割合 1/4(法定相続分)×1/2=1/8

 

■ケース2:相続人が父と母のみ

 

[図表4]相続人が、父と母のみ

 

・父の遺留分 1/2(法定相続分)×1/3=1/6

・母の遺留分 1/2(法定相続分)×1/3=1/6

 

ケース3:相続人が配偶者と兄

 

[図表5]相続人が、配偶者と兄

 

・配偶者の遺留分 3/4(法定相続分)×1/2=3/8

※「兄」には、遺留分請求権はありません。

 

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Authense法律事務所 弁護士

神奈川県弁護士会所属。一橋大学法学部法律学科卒業。
相続および不動産法務を中心に数多くの案件を取り扱う。不動産に関する知見を活かし、相続人が30人以上の案件など、複雑な相続案件の豊富な解決実績を有する。また、離婚案件についても高額の婚姻費用が認められた案件など多数の実績がある。
依頼者に寄り添いながらも第三者的な視点に立った助言を行うことをモットーとしており、迅速な対応による早期解決で依頼者の利益を最大化することを心がけている。

Authense法律事務所(https://www.authense.jp/)
Authense遺言・遺産相続(https://www.authense.jp/souzoku/)

著者紹介

連載Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説!もめない相続を実現する方法

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