前回は、施工業者の「質」がはっきりと表れる細部の仕上げについて説明しました。今回は、新築物件でよくある「巾木のトラブル」について見ていきます。

念入りにチェックすべき「壁とフローリング」の境目

ポイント⑭ 巾木の仕上げをチェック 

巾木(はばき)とは、壁と、壁の下の部分にあるフローリングとの境目の部分を指します。この巾木のトラブルも、建売住宅でよく見かけます。

 

巾木は、“フィニッシュ釘”という頭の出ていない釘で留めるのですが、これが最後まで打ち込まれておらず、飛び出しているケースがあります。未処理のフィニッシュ釘は、とても危険です。

 

また、巾木の下からパッキンがはみ出していることや、ゴミが溜まっている場合もあります。隅の部分に隙間が開いているケースもあります。巾木は、室内のすべての壁の下にありますので、全室にわたって念入りにチェックするようにしてください。

 

掃除してきれいになる程度なら問題はないのですが、施工不良の箇所については、直してもらう必要があります。隙間が大きく開いている場合は、クロス補修剤(コーキング剤)で隙間を埋めてもらう必要があります。

入居後に「巾木と床の隙間」が広がる理由

巾木と床の隙間については、入居後にさらに目立ってくるはずです。室内での人の動きや家具の重さで床が沈むこともありますし、湿気や寒暖差、冷暖房の影響、外からの風や車の行き来によって伝わる振動など、さまざまな影響を受けていくからです。

 

狭小住宅とされる3階建ての建売住宅の場合は、揺れの影響が特に大きく出る傾向があります。上階のほうが揺れが大きくなるため、1階は問題なくても3階は隙間が大きくなっていることもよくあります。

 

こうした場合でも、あわてて補修を依頼するのではなく、家の状態が落ち着くのを待ってみましょう。

 

新築物件の場合、建物は10年保証ですが、クロス保証は通常1~2年間です。目立つ隙間やキズがあるなら、入居後数カ月を過ぎてから、まとめて依頼するとよいと思います。

 

[図表1] ドア枠と巾木の隙間

 

[図表2] フィニッシュ釘の処理

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

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    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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