前回は、人体にも悪影響をおよぼすといわれている、「家の傾き」を簡単に調べる方法を説明しました。今回は、施工業者の「質」がはっきりと表れる細部の仕上げについて見ていきます。

大きく差がつく「クローゼットや押入れ」の内部

ポイント⑬ クローゼットでわかる工事業者の腕

 

部屋のように、一見してわかる場所ではないだけに、クローゼットや押し入れといった収納部には、事業者の質がはっきりと表れます。雑な職人と丁寧な職人の仕事ぶりには、大きく差が出てしまうのです。

 

そのひとつが、収納内部のクロスを貼らないタイプの物件の場合です。これは、奥の壁の部分に石膏ボードがむき出しで見えますから、継ぎ目の処理を見ることになります。

 

ボードの継ぎ目を見て、きれいに隙間を埋めるコーキング仕上げがされていれば問題ありませんが、中には継ぎ目がそのままでギザギザが見えている場合があります。

 

また、石膏ボードの上にクロスを貼った仕上げになっている場合は、石膏ボードの継ぎ目が出ていないか、釘を打った箇所が直に見えていないかを確認しましょう。

浴室、トイレ…すべての「扉・窓の開閉」もチェック

扉についても、部屋と同じく、動かせる部分はすべて開閉の確認をしてください。施工不良のケースとしては、扉を開けようとすると、止まっているはずの側まで動き出すことがあります。

 

また、扉の取っ手が仮留めのままになっていることもあります。クローゼット内ですから、多少のキズや隙間は大目に見るとしても、ここでどのような仕事をする職人だったかを確認したうえで、他の場所もチェックするといいでしょう。

 

ドアと同じく、開閉の確認が必要なのが窓です。一方向にはスムーズに動いても、逆に動かそうとすると、ひっかかりが生じることもあります。トイレや浴室などの小さな窓も含めて、すべて開閉の確認をしてください。

 

窓枠は、プラスチックや樹脂でできている場合がほとんどですが、窓枠のビスがきちんと留まっていないケースもあります。窓枠の仕上げ、ビスの付け忘れに不備がないか確認するようにしましょう。

本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

こんな建売住宅は買うな

こんな建売住宅は買うな

田中 勲

幻冬舎メディアコンサルティング

注文住宅と比べて安く購入できる建売住宅は、特に地価の高い都心近郊で人気がありますが、実は流通している住宅の大部分が目に見えない欠陥・不具合を抱えているのが実情です。 実際に、断熱材のズレ・不足や、準防火地域にお…

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