「内部(自社)」と「外部(顧客)」の連動が重要
前掲した「DX4象限」においては、各象限がバラバラに活動するのではなく、連動させる必要があります。特に、内部DX(第2、第3象限)と外部DX(第1、第4象限)の連動は重要です。
本戦略では、内部DXから外部DXへの連動を「外部化(エクスターナライゼーション)」と呼びます。外部化により、自社の技術・プロセスを、社外(エクスターナル)のお客さまに製品やサービスとして提供します。
外部化というと、内製化したプロセスを外部発注に変えることと勘違いしますが、これは外部委託であり、英語ではアウトソーシングになります。そうではなく、自社内のDXを強化し、そこで得られた技術・プロセスを外部化することにより、お客様のDX実現に貢献するソリューションやプロダクト、サービスを提供することが重要です。
恵まれたデジタル環境のいまこそ「DXムーブメント」の活用を
このように、経営ビジョンを実現するための戦略としてDXを位置付ければ、会社全体の改革に繋がっていきます。
過去にもこのような動きはあったものの、過去との違いは「デジタル技術の革新的な進歩」です。クラウドやネットワーク、スマートフォンなどのITインフラが整い、AI、IoT、ビッグデータ、ロボティクスなど、デジタル技術が大きく進化しています。
このような環境であれば、優れたソフトウェアとの組合せで迅速なサービス構築が可能になります。過去には、やりたいニーズとそれを実現する技術にギャップがあり、うまくいかなかったケースが多々ありましたが、このギャップは確実に小さくなっています。
いまこそDXムーブメントを活用して、民間企業や公共機関が改革を行うことによって、本来のDXの定義である「情報技術(IT)の浸透が、人々の生活をあらゆる面でよりいい方向に変化させること」に進むことを期待します。
坪井 正志
沖電気工業株式会社
専務執行役員/デジタル責任者(CDO)
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