(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円は一時130円を割り込んだものの、その後135円付近まで戻すなど方向感のない動きをみせました。こうしたなか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、今週のレンジを「1ドル130円~135円」と予想したうえで、このレンジを上下どちらかに抜けた場合はトレンドが発生する可能性があると指摘します。吉田氏の予想レンジの根拠と、足元の米ドル/円の動きの背景について、みていきましょう。

米ドルが買い戻されたもうひとつの要因

もうひとつ米ドル買い戻しが広がった要因として、ユーロ/米ドルの動きが注目されました。

 

ユーロ/米ドルは年末年始に1.07米ドルを超えるまでユーロ高・米ドル安となりましたが、その後はユーロ安・米ドル高に転換し、6日には一時1.05米ドル割れとなりました(図表3参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表3]ユーロ/米ドルの日足チャート(2022年10月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

まず、年末年始にかけてユーロ高・米ドル安が続いたのは、金利差の影響が大きかったと考えられます。

 

このところ、金利上昇ペースで独が米国を大きく上回り、独米金利差ユーロ劣位縮小が目立っていました(図表4参照)。これは根強いユーロ圏内のインフレ懸念を受けて、当面の利上げ幅においてECB(欧州中央銀行)はFRB(米連邦準備制度理事会)を上回るといった見通しが影響したと考えられます。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表4]独米の10年債利回りの推移(2021年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

このように金利差で正当化されたユーロ高・米ドル安は、対円などでの米ドル安にも影響していた可能性があったのではないでしょうか。別な言い方をすると、ユーロ買いが米ドル下落の主導役になっていたということです。

 

ところが、3日発表された独12月CPI(消費者物価指数)は上昇率が予想を超えて大きく低下(前回:10.0%、予想:9.0%、結果:8.6%)しました。これを受けて、独金利も大きく低下に転じたことから、ユーロ/米ドルもすでに述べたように、一時は1.05米ドル割れまでユーロ安・米ドル高に戻すところとなりました。

 

米ドル安を主導したユーロ買いがユーロ売りに転換したことは、対円などでも米ドル安の修正が入りやすくなった要因だったのではないでしょうか。

 

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