(※画像はイメージです/PIXTA)

まもなく2022年度の確定申告のシーズンを迎えます。所得税・住民税には様々な「所得控除」の制度があり、まだまだ活用されていないものもあります。政府・与党が「増税」に余念がないなか、税負担の軽減につながる制度は貴重であり、利用できるものは可能な限り利用したいものです。本記事ではその代表格ともいえる「セルフメディケーション税制」について解説します。

セルフメディケーション税制を利用する条件

セルフメディケーション税制を利用する条件は、「健康のための一定の取組」を行うことです。具体的には、以下の健康診断または予防接種を受ける必要があります。

 

(1)インフルエンザの予防接種

(2)市区町村のがん検診

(3)職場の定期健康診断

(4)特定健康診査(メタボ検診)

(5)人間ドック、がん検診等の各種健診

 

これらの健康診断や予防接種等を受けていれば、「日ごろから健康の維持増進に気を配っている」とみなされるのです。実際に自分で何か目的意識をもって取り組んでいるかが考慮されるわけではありません。

2022年度分より手続きが簡略化

セルフメディケーション税制を利用する場合の手続きは、2022年度分から簡略化されています。

 

2021年度分までは、原則として、確定申告書に健康診断や予防接種を受けたことを示す証明書(健康診断結果通知書等)を添付しなければなりませんでした(e-Taxで申告する場合は不要でした)。

 

しかし、2022年度分からは、証明書が不要になります。「医薬品購入費の明細」に健康診断や予防接種に関する事項を記載するだけでよいことになりました。その代わり、証明書を5年間保管することが義務付けられています。

医薬品のレシートも添付不要

また、それ以前に2017年度から、医薬品のレシート等の添付が不要となっています。

 

医薬品購入費の明細」の「特定一般用医薬品等購入費の明細」欄に、「薬局などの支払先の名称」「医薬品の名称」「支払った金額」等を記入すればよいことになっています。ただし、レシート等の5年間の保存が義務付けられています。

まとめ

セルフメディケーション税制は、2022年度分から、対象となる医薬品の範囲が大幅に拡大されました。また、手続きも簡略化され、利用しやすくなりました。

 

その背景には、高齢化の進行と国の財政難という事情の下、健康の維持・管理をある程度国民自身の自己責任に委ねることで国の医療費を削減するという政策目的があります。

 

そういった政策的意図はさておき、政府・与党がなりふり構わぬ増税路線をひた走るなか、数少ない税負担の軽減につながる制度として、大いに利用価値があるといえます。

 

2022年度分の所得税の確定申告期限は2023年2月16日(木)~3月15日(水・郵送の場合は消印有効)です。

 

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