院長の所得が「1200万円」を超えれば法人化を検討
経営が安定して院長の所得が1200万円を超えるようになれば、医療法人化の検討をお勧めします。個人事業者から医療法人に変わると、以下のようなメリットがあります。
●所得に対する税負担が減る
個人に課せられる所得税は、所得の増加とともに税率も高くなっていきましたが、法人税の税率は基本的に一定であるため、税制上のメリットが大きくなります。
●医療法人から院長に「理事報酬」や「退職金」を支給できる
報酬額を経費(損金)に計上することが可能であり、役員報酬を受け取った院長も「給与所得控除」を使うことができます。個人の場合、身内に給与を支給する際は専従者給与の届け出が必要かつその人が常勤でなければなりませんが、医療法人なら非常勤でも支給が可能です。とくに退職所得は勤続年数に応じた退職所得控除があり、控除後の課税対象額を半分にできる1/2課税の適用であるため、税額を抑えることができます。
法人化すれば「経費」にできる項目が増える
●出張時の日当や生命保険料、社宅経費などを経費にできる
「出張旅費規程」を整備することで、院長がセミナーや講演会を開催したとき、またはスタッフがセミナー等に参加した際の出張費、つまり「日当」を経費として計上できます。
●対外的な信用度が上がる
金融機関からの借入の際、個人の時は第三者の保証人が必要でしたが、医療法人の借入では理事長の個人保証で通るため、資金調達力がアップします。
●分院設立が可能になる
歯科医院の分院はもちろん、介護施設や老人保健施設も開設することができます。また、相続税対策としても有効です。