熟年離婚後の一人暮らしに限界を感じて入居を決意
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60歳で大手商社を定年、直後に価値観の相違から熟年離婚した斉木さん。その後は20年間賃貸マンションで一人暮らしを続けてきましたが、心臓の持病と、ひざ痛が悪化したことをきっかけに老人ホームへの入居を考え始めました。
結婚していたときはキッチンに立ったこともありませんでしたが、一人暮らしになってから少しずつ料理を覚え、今ではたまに遊びに来る孫に御馳走するほどになっています。ただ、最近は免許を返納し買い物にも行くのも苦労し始めました。膝痛でキッチンに立つ時間そのものも減ってきました。
2人の娘さんは元妻とは仲良くしているようですが、斉木さんは子どもたちとの交流はほとんどなく、老後の面倒をみてもらうことはできそうもありません。食事面を考えても、そろそろ良いタイミングと判断したのです。
3つの条件をクリアした老人ホームを選択
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老人ホーム選びの条件は3つに絞りました。ひとつは最期まで面倒を見てくれるところ。医療的な措置が必要になっても住める場所を確保したいと考えました。第2にある程度大きな運営母体であること。経営が傾いて退居を迫られる……そんな心配もないでしょう。そして3つ目に食事です。
結婚していたとき、元奥さまは斉木さんの体を考えて、薄味の料理が定番だったといいますが、こってりした料理や揚げ物が好きな斉木さんにとって物足りなかったといいます。ですから、高齢者向けの食事だからといって、薄味で旨味もないような料理を提供する老人ホームは避けたかったのです。
条件が絞れたので早速、「食事が自慢」とうたっている老人ホームに連絡を取り、試食のできる日程で見学会に参加しました。1件目のホームの食事はまぁまぁでしたが、こぢんまりした雰囲気で「経営は大丈夫か?」と勘ぐってしまいパス。
2件目と3件目は誰もが知っている大手企業が経営母体です。どちらも専属のシェフが料理をしていると言います。夕食は3パターンから選べると言いますし、1ヵ月のメニューを見てもバラエティに富んでいます。
どちらを選ぶか悩みましたが、食事の時間帯に余裕のある3件目を最終的に選択しました。朝食時間を8~9時に設定している2件目に対し、一件目は7~9時、夕食も18~20時と時間の幅が大きいのです。多くの高齢者が早寝早起きになると言いますが、斉木さんも4時には目が覚めてしまいます。自宅では6時には朝食を食べていましたから、7時スタートの朝食は大変助かります。
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