懸念事項②欧米の利上げの程度とその後
第2の懸念要因は、欧米のインフレ圧力を抑えるために必要とされる今後の利上げの程度、その後の米国と欧州連合(EU)の景気減速の進捗、そしてそれがソフト・ランディングかハード・ランディングか、であると考えています。
また、金利サイクルのピークは米ドル安につながる可能性が高く、それがアジア経済の流動性を高め、株式市場のバリュエーションを支えることになります。米国のインフレ率と長期金利のピークアウトが早ければ早いほど、世界の株式市場にとって好材料になると予想されます。
当運用チームが株式市場で選好する分野短期的な課題はあるものの、韓国や台湾のハイテク銘柄など、アジアの主要輸出セクターの世界的なリーダーである企業は、長期的に持続する成長要因を有すると評価し、選好しています。
香港株式市場においても、足元の景気低迷を乗り越えることのできる価値と強固な事業を有する企業があると見ています。香港、シンガポール、東南アジアの金融銘柄も金利上昇の恩恵を受け、魅力的な株価バリュエーションと配当利回りの水準となっています。
インド株式市場についてもまた、信用供与の普及率の低さと経済の大幅な「キャッチアップ」の可能性から、長期的かつ魅力的な投資機会を提供していると見ています。しかしながら、ここ2~3年は、株価リターンが非常に堅調に推移したため、株価バリュエーションは拡大しています。
オーストラリア株式市場については、よりディフェンシブな特性を備え、魅力的な投資機会が多くあると見ています。
当運用チームでは、中国の政治的リスクと構造的成長率の鈍化について引き続き留意しています。具体的には、コロナ規制の緩和後に魅力的なリスク・リターンを得られる分野の銘柄や、政府の戦略的優先事項と密接に連携している企業に注目していきたいと考えています。
福澤 基哉
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
執行役員/プロダクト統括
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