(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資で勝つには、不動産投資リテラシーを高めることが大切ですが、正しい知識を身につけ、よりいっそう正確な情報を収集するに当たっては、どのような不動産会社と付き合うかも重要です。本稿では、信頼できる不動産会社・担当者を見分ける方法を見ていきましょう。

不動産投資は信頼できるパートナー選びが大事

ファンドなどのプロなら別ですが、個人投資家が不動産投資で成功するにはパートナーとして信頼できる不動産会社を見つけられるかどうかが鍵を握ります。

 

その理由としては、次の2つが挙げられます。

 

●不動産会社によって情報力や目利き力が異なる

●不動産会社によって利用できるローンが異なる

 

まず、不動産会社によって情報力や目利き力が異なるという点です。

 

レインズや不動産ポータルサイトにより、物件情報が不動産会社だけでなく広く知れ渡るようになりました。しかし、売り出される物件のなかには売主の事情(離婚や債務整理など)によってオープンにならないケースや、新築物件で売主の不動産会社が特定の販売会社にのみ取り扱いを認めている物件などもあります。

 

こうした物件の情報については、他社とのネットワークや金融機関との関係などがものをいいます。それは必ずしも会社の規模や知名度とは関係しません。

 

物件の目利き力も同じです。不動産は同じものが2つとしてないといわれるほど千差万別であり、実は公開物件のなかにも意外に売り出し価格の設定を間違えていたりするものがあります。それを見分けることができるかどうかは、エリアや物件種別によっての経験とノウハウの蓄積にかかっています。

 

自分が求めている物件種別やエリアなどにおいて、そうした情報力と目利き力を備えた不動産会社を見つけることが重要です。

 

もう一つ、不動産会社によって利用できる銀行ローンが異なるという点はこういうことです。

 

不動産投資では多くの場合、自己資金だけでは購入資金が不足するため金融機関からローンを借ります。金融機関への打診や交渉は個人でもできないことはありませんが、そう簡単なことではありません。

 

一方、不動産会社と提携している金融機関であれば話が早いですし、場合によっては好条件(低金利)で借りられる可能性もあります。

 

ただし、不動産会社によって提携している金融機関は異なります。いろいろなタイプの沢山の金融機関と提携している不動産会社をパートナーにできれば物件種別や資金計画に応じて有利なローンを選ぶことができ、規模の拡大も目指しやすいといえます。

「不動産会社の規模=担当者のレベル」ではない

信頼できるパートナーかどうかという点については、もう一つポイントがあります。それは担当者です。実際、会社の規模や知名度と担当者のレベルが比例するかというと、そんなことはありません。

 

レベルの低い担当者の場合、作成する収支計画がずさんであったりリスク対策が疎かになっていたりして、失敗する確率が高まる可能性もあります。規模が小さな不動産会社でも実績豊富で的確なアドバイスができる担当者がついてくれれば、リスクを抑えながら着実に資産を増やしていくことが可能です。

 

不動産投資は長期運用が前提です。担当者との付き合いが長くなるため、何でも気軽に相談できる相手かどうかという相性もしっかり確認するべきです。

「信頼できる担当者」を見分けるのは難しいが…

とはいえ、信頼できる担当者を見分けることは簡単なことではありません。

 

そこでお勧めなのは、ダメな担当者を見分けて避けるようにすることです。ダメな担当者を見分けるのは、信頼できる担当者を見分けるよりはるかに容易です。

 

ダメな担当者に共通して見られるのが次のような傾向です。

 

自分の自慢話ばかりしたがる

デメリットを伝えない

しつこく電話をかけてくる

 

例えば、自分が担当している顧客が医師や弁護士、会社役員などいわゆる高属性であることをしきりに自慢したり、成約件数がいかに多いかといったことをアピールしたりする担当者は、信頼できないことがほとんどです。

 

信頼できる担当者は自分の自慢話ではなく、親身になって顧客が抱えている悩みを聞くことに注力し解決へ導こうとしてくれます。

 

また、不動産投資は元本保証のない資産運用なのでメリットだけではなく当然デメリットも伴います。しかし、なんとかして契約までたどり着きたいと考えている担当者はデメリットを伝えずにメリットばかりを強調する傾向があります。

 

例えば、不動産投資は節税効果が期待できる、ローンを組めば相続税対策になる、頭金不要のフルローンを組めるので自己資金がなくても始められるなどと言ってくるのです。

 

すべてが誤りというわけではありませんが、不動産投資を始めても空室が目立ったり資産価値が大幅に下がったりすると、節税効果や相続税対策のメリット以上の損失を抱える可能性もあります。また、頭金不要のフルローンも想定どおりの入居率を維持できなければキャッシュフローの悪化で経営継続が困難になる場合もあります。

 

信頼できる担当者はそうしたデメリットもすべて包み隠さず話してくれるものです。そのことによって不動産投資に伴うリスクをコントロールしやすくなるのです。

 

担当者が熱心なのはむしろ悪いことではありません。ただし、早く決断しないとほかのお客さんが購入してしまうなどと頻繁に電話をかけてくるような担当者は、自分本位で顧客を第一に考えていない可能性が高いといえます。本当に信頼できる担当者は物件を紹介したあと、大きな買い物なのできちんと検討するよう顧客を最優先に考えた言動をとってくれます。

担当者の「保有資格」も重要なポイント

また、信頼できる担当者かどうかを判断する際は専門的な知識を有しているかどうかも重要なポイントです。

 

例えば次のような資格を保有しているかどうか確認します。

 

■宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、不動産の売買契約を締結する際の重要事項説明などを行う不動産取引についての専門家です。宅地建物取引士になるには国家試験に合格しなければならず、資格を更新するには5年に1回の講習受講が必須です。

 

また、不動産業を行う事業所は5人に1人の割合で宅地建物取引士の設置が義務付けられています。

 

■ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとは、結婚、出産、進学、相続などの将来のライフプランを見据えながら、貯蓄や保険などのお金のアドバイスを行う専門家です。

 

ファイナンシャルプランナーの資格には2つあり、一つは国家検定のFP技能士です。FP技能士には易しい順に3級、2級、1級の3段階があり、NPO法人日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会の2団体が試験を実施しています。一度合格した資格に有効期限はなく、更新の必要はありません。

 

もう一つは日本FP協会が認定する民間資格のAFPとCFPで、CFPのほうが難易度は高くなっています。

 

■不動産コンサルティングマスター

不動産コンサルティングマスターは、不動産コンサルティング業務を行う場合に必要な知識や技能・実務経験を有している専門家です。公益財団法人不動産流通推進センターが行う不動産コンサルティング技能試験に合格し、不動産等に関する5年以上の実務経験を有する等の要件を満たすと公認不動産コンサルティングマスターとして同センターから認定されます。

 

不動産コンサルティング業務は、「不動産に関する専門的な知識・能力を活用し、公正かつ客観的な立場から、不動産の利用、取得、処分、管理、事業経営及び投資等について、不動産の物件・市場等の調査・分析等をもとに、依頼者が最善の選択や意思決定を行えるように企画、調整し、提案する業務」であり、一定の要件のもと宅地建物取引業務とは分離独立した業務として報酬が受け取れるとされています。

 

そのため、受験資格は宅地建物取引士、不動産鑑定士、一級建築士の資格登録者に限られ、それぞれの業務に現時点で従事している人もしくは今後において従事しようとしている人とされています。

 

そのほか、不動産取引や不動産投資において専門的なサポートを期待できる司法書士や弁護士、税理士、行政書士などの各種専門家にすぐに相談できる環境を整えている不動産会社および担当者も信頼できるパートナーといえます。

 

 

會田 和宏

株式会社あおば不動産販売 代表取締役

 

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※本連載は、會田和宏氏の著書『勝てる! 不動産投資~投資初心者のための物件購入の基礎知識~』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

勝てる!不動産投資 ~投資初心者のための物件購入の基礎知識~

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會田 和宏

幻冬舎メディアコンサルティング

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