本当に頭のいい人は“日本的なもの”に屈しない
では、どんな人が本当に知性的な人でしょうか?
僕は、これからの時代を生き抜く本当に頭がいい人、知性が高い人というのは、たとえば、ひろゆき(西村博之)さんだったり、落合陽一さんだったり、ホリエモン(堀江貴文さん)だったり、といった人たちだと思うのです。
彼らに共通しているのは、「日本的なもの」に屈してこなかったということです。
「日本的なもの」とは、たとえば「空気」や「情緒」による同調圧力だとか、暗記型の教育だとか、日本的な男性優位社会で上に立つための体育会系のマッチョイズムだとか。そういうものと彼らは基本的に無縁です。
たとえば落合陽一さんは、最初はジャーナリストの落合信彦さんの息子さんで大学の先生のような触れ込みでメディアに登場しました。そこだけ切り取ると典型的な2世タレントなのですが、長髪でコム・デ・ギャルソンの黒ずくめの服なんか着ていて、ひな壇に座っていてもその場の空気を読まずに独自の見解をとうとうと話し、道端でレトルトカレーをストローで吸ったりする。尋常ではありません。
ではキワモノ・イロモノ的ポジションの人なのかと思うとそれも違っていて、学者としてもメディア・アーティストとしても国際的に評価されている。全く独特で、日本においては型破りで独創的です。こういった人が持っているのが、いまの時代、日本人に求められている「本当の頭のよさ」だと僕は考えます。
本当に頭のいい人が持っている「4つの力」
「本当の頭のよさ」があれば、フォローしている誰かの言葉を鵜呑みにするのではなく、なんとなく雰囲気に流されるのではなく、自分の考えに基づいて「これは正しい」「これは間違っている」などの判断ができるようになります。ただし、それは単に論理的ということではありません。いわば、直感に従いながらも論理的でもある、直感と論理の両面から正しい答えを導き出せるということです。
たとえば、世界を見渡せばペイパルの創業者でシリコンバレーのドンともいわれるピーター・ティール、スペースXのイーロン・マスク、メタ(フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグなどの異能の世界的起業家たちは、みんなそうして、直感と理論の両面から正しい判断をしてきたはずです。
彼らのような「本当に頭がいい人」が持っている力をさらに因数分解すると、次の4つだと僕は考えます。
2.アップデートされ続ける正解にたどり着く「地図を読み換える力」
3.理性に偏りすぎずに革新的な挑戦をする「アニマルスピリッツ」
4.目に見えるものにとらわれない「妄想する力」
これらは決して生まれながらの「才能」ではありません。この4つの力をうまく発揮する脳の使い方を学ぶ=上手に脳を使っている人たちを真似ることができれば、みなさんも4つの力を身につけられます。
茂木 健一郎
理学博士/脳科学者
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