(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年(令和4年)度の税制改正大綱には、所得税の課税強化が含まれていました。税制は新設や見直しが毎年実施されています。そのため、どのように制度が変わったのかを把握しておくことが大切です。今回は、令和4年度の税制改正大綱における法人税関連の改正ポイントを紹介します。

専門家のサポートを受けるのも選択肢の1つ

▶オープンイノベーション促進税制

オープンイノベーションとは、企業の枠組みを超え、複数の企業や大学等で協力し、革新的な新たな製品やサービス、ビジネスモデルの開発を目指すビジネスにおける手法の一種です。政府はオープンイノベーション促進税制という優遇税制により、スタートアップ企業と既存企業の協働を加速させようとしています。

 

オープンイノベーション促進税制とは、事業会社もしくはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)などがスタートアップ企業の新規発行株式を一定額以上取得する場合に、株式取得価額の25%を課税所得から控除できる制度です。

 

現行制度が見直されて令和4年度の税制改正大綱に以下のような変更が加えられました。

 

・適用期間の変更(令和2年4月1日から令和6年3月31日までの期間内の日を含む事業年度)


・スタートアップ企業の条件追加(売上高に占める研究開発費の割合が10%以上かつ会社が赤字の場合は設立の日以後15年未満)


・取得株式の保有見込期間変更(5年から3年に短縮)

改正には、オープンイノベーションを促進し、我が国における新たなサービスや技術を生み出していきたいという、政府の狙いがあります。

 

▶5G投資促進税制

5Gとは、次世代の基幹インフラであり、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続などを可能にするものです。

 

5G投資促進税制は、特別償却と税額控除のいずれかの税制措置を選択適用できる制度ですが、現行制度が見直されて令和4年度の税制改正大綱に以下のような変更が加えられました。

 

・適用期間の変更(令和4年3月31日から令和7年3月31日までに延長)
・適用対象者及び要件の変更(一部要件を廃止、要件の対象として5G高度特定基地局を追加)
・対象資産の変更(補助金等の交付を受けたものを除外、対象資産の限定および追加)
・税額控除率の変更(事業供用時期と一定の条件により3%~15%)

 

今回の見直しには、インフラにかかる企業の多様化と基地局のオープン化によって効果的にインフラを整備する狙いがあります。また、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、地方でのネットワークの整備を加速するしていく面から、インセンティブ付けのため税額控除率を段階的に引き下げる動きがあり、早期の導入を促進しております。

 

まとめ

税計算は複雑で、税制改正も頻繁に実施されており、全てを完全に理解することは簡単ではありません。

 

複雑な税計算で失敗せずに、改正をうまく利用して法人税の負担を軽減するには、専門家のサポートを受けるのも選択肢の1つです。

 

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