(※写真はイメージです/PIXTA)

緊急事態宣言が解除されて以降、富裕層をターゲットにした「国外財産に関する税務調査」が急増しています。税理士法人ベリーベスト・佐下谷彩代税理士が「富裕層を狙い撃つ税務調査の実態」についてみていきましょう。

調査対象となる「富裕層」に共通する事項とは

では、その方々に共通している事項とはなんだったのでしょうか。 もちろん、いわゆる「富裕層」と呼ばれるだけに、一定額の所得水準を超えていることは共通していますが、それ以外は職業も違えば住む地域も違い、投資方法もさまざまでした。

 

しかし、すべての人に共通していたのは、「国外財産を所有していること」、ただそれだけでした。そして、調査に際して指摘された事項については共通しており、投資に際する国外送金の履歴、またCRS(※)情報から得られた国外口座の残高・履歴などがあることでした。

 

CRS:各国が非居住者の金融口座の情報を、他国の税務当局との間で自動的に交換する仕組みで、経済協力開発機構(OECD)が策定してスタートしたものです。口座保有者の個人情報や口座残高などが対象になっています。

 

今回、国税庁の発表のなかでも、特に海外投資等を行っている「富裕層」に対しては、調査件数は昨年と大きく変化がないにも関わらず、1件当たりの追徴税額は2,953万円で、所得税の調査全体の追徴税額323万円に比べ9.1倍と高額となっている、との発表がありました。

 

コロナ禍、実地調査ができない間、CRS情報の精査にかなり時間をかけたことは確かであり、それをもとに調査対象を絞り、人員、工数をかけているのだろうと実感しました。

まずは「国際税務の専門家」に相談を

贈与税、相続税を一体化とする議論など、「富裕層」をターゲットした税制改正も多く聞かれる今日このごろ、「富裕層」包囲網が張りめぐらされてきていると実感しています。

 

これら国外財産に関する税務調査に関しては、特殊な対応が必要とされるケースが多々あります。国際税務、国際資産税に精通した専門家へのご相談をおすすめいたします。

 

 

佐下谷 彩代

税理士法人ベリーベスト 税理士

一般社団法人海外財産を守る会 コンサルタント

 

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