アマゾン・エフェクトを受ける日本の薬局業界の今後
アマゾン薬局が先に始まったアメリカ…「街の薬局」は消滅したのか?
「アマゾン薬局」の脅威について記載してきましたが、少し目先を変えます。アマゾンはいままで、「アマゾン・エフェクト」と呼ばれる業界再編の波を起こしてきました。
では、2020年からすでに「アマゾン薬局」が開始されているアメリカはどのような状況にあるのでしょうか。オンライン薬局「アマゾン・ファーマシー」で処方薬の販売をスタートしていますが、「アマゾン・エフェクト」が起こっているのかというと、街から薬局がなくなった、といった業界を覆すような話は聞いたことがありません。アマゾンのブランド力を持ってしても、薬局業界の再編はまだまだ難しいようです。
2025年問題を抱える日本…薬局業界の大変革が求められる
日本でも、いきなり街の薬局が激減するといった急激な変化が起こるかというと、アメリカの例からその可能性は低いと予測します。
とはいえ、日本の社会はアメリカと違い、深刻な問題を抱えています。それは、「2025年問題」です。2025年には団塊の世代約800万人が75歳以上の後期高齢者になり、65歳以上の高齢者が人口の3割を占めることになります。「アマゾン薬局」の登場に関係なく、医療の構造をドラスティックに変える、「エフェクト」が求められています。
そのひとつがDXといえるでしょう。超高齢化社会を乗り越えるために、薬局業界全体が知恵と力を合わせて、状況打破のために行動を起こさなければいけない。私はそう強く感じています。
新上 幸二
株式会社アクシス
取締役