インデックスの王道は時価総額タイプ
世界一巨大な株価指数といえるS&P500は、米国の大企業500社の株価を「時価総額加重平均」 で指数化したものです。 「時価総額」 とは、その企業の株価に発行済株式数をかけたもので、いわば投資家がつけたその会社の市場価格です。
NYダウや日経平均株価は単純に構成企業の「株価」を平均して算出されます。しかし、それでは、指数に採用された企業の「規模」 を反映できません。例えば、
〇B社 株価100円 発行済株式数 1億株 時価総額100億円
〇B社 株価1,000円 発行済株式数 100万株 時価総額10億円
という2社を比べた場合、株価だけ見ると、B社のほうがA社より10倍高いです。しかし、その会社を丸ごと買うために必要な資金(=時価総額)は、株価の低いA社のほうがB社の10倍必要です。なぜなら、A社の発行済株式数がB社の100倍あるから。
つまり、どちらの会社のほうが投資家からの評価が高くて、規模が大きいかというと、断然A社になります。にもかかわらず、株価だけに注目して株価指数を作ってしまうと、その指数には会社の規模が反映されないことになります。それが日経平均株価やNYダウの指数としての欠点です。
その点、S&P500は…
その点、S&P500は 「指数に採用した500社のその時点の時価総額の合計÷基準となる時点の時価総額の合計」 で計算されます。時価総額が全体として、どれだけ増えたかを示した指数なので、単位は「ドル」ではなく、「ポイント」です。
S&P500に採用される企業はすべて米国企業で、10のセクターの24の産業グループの中から、時価総額が大きい企業を上から順に500社集めたものになっています。その他にも、
〇市場で実際に取引されている浮動株が発行済株式総数の50%以上ある。
〇4四半期連続で黒字の利益を維持している。
なども採用の条件になっています。いわば、米国企業の中で、それぞれの業種を代表する優良な大企業500社を時価総額ベースで指数化したのがS&P500というわけです。
時価総額ベースなので、S&P500の値動きに対して大きな影響を与える企業は米国の優良企業500社の中でも、上から順に規模が巨大な大企業になります。そもそも、米国は世界経済の中心ですから、米国でトップ10に入る大企業といえば、 すなわち、世界でもトップ10に君臨する、めちゃくちゃ大きな企業になります。