比較的値動きが安定している先進国の株式は、投資のリスク軽減に有効です。また、複数の資産や地域に分散する方法も、同じくリスク軽減になります。具体的に見ていきましょう。※本連載は、経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『キーワードでまるごとわかる 投資の教科書』(株式会社Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

【バランス型投資信託】複数の資産や地域に分散投資

株式と債券、国内と海外に分散投資

複数の資産や地域にバランスよく投資することで、リスク分散を期待する投資信託です。投資ビギナー向けの商品といえます。

 

「バランス型投資信託」は、株式や債券、国内や海外など複数の資産や地域にバランスよく投資する投資信託です。複数の資産や地域に幅広く分散投資し、リスク分散の効果が期待できるため、投資ビギナーに向いた商品といえます。

 

バランス型のなかにもいくつかの種類があります。株式を組み入れる比率、国内と海外の資産の比率、不動産への投資を行うREITを組み込んでいるかどうかなどで商品の性格が異なってくるのです。一般的には株式やリートの比率が高くなると、価格の変動幅が大きくなります。また、資産配分を固定化しているタイプもあれば、景気の変動に応じて機動的に配分を変更するタイプもあります。

 

代表的なものに、「4資産均等タイプ」「8資産均等タイプ」がありますので、それぞれ具体例をもとに見ていきましょう。

 

図表3の「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」は、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券の4資産に25%ずつ均等に配分した4資産均等タイプです。債券の割合が50%を占めていることが特徴的で、株式型と比べるとよりローリスクの運用を期待できます。

 

図表4の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券、国内リート、先進国リートの8資産に12.5%ずつ均等に配分した8資産均等タイプです。リートは、株式よりリスクは小さい一方、債券と比べると値動きが大きい資産です。8資産均等タイプは、リートへの投資を行うことで、4資産均等タイプよりもリスクは高く、その分リターンも狙いやすいといえます。

 

[図表2]

 

図表3

 

 ★Point★ 

□ 幅広く分散投資ができるのでビギナーに向く

□ 株式やリートの比率が大きいと価格変動幅も大きい

 

 

酒井 富士子
経済ジャーナリスト

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

酒井 富士子

学研プラス

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