(※写真はイメージです/PIXTA)

投資には、常に「損をする恐怖」がついて回ります。損失のリスクを軽減するには、投資のスタイルを精査することが大切です。ここでは、「長期投資」「分散投資」について解説します。※本連載は、経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『キーワードでまるごとわかる 投資の教科書』(株式会社Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

【長期投資複利効果で資産を増やし、リスクも軽減

複利効果で資産が増え、リスクも軽減される

長期間、投資をすることで、利息が利息を生む複利効果を得られます。大きく資産を増やすことも可能なうえに、元本割れのリスクを減らすこともできるのです。

 

投資というと、値下がりしたときに購入して、値上がりしたらすぐに売却するような短期売買をイメージする人もいるかもしれません。しかし、投資信託で積立投資する場合には、長期での投資が前提となります。

 

長期投資にはさまざまなメリットがありますが、最大のメリットといえるのが「複利効果」です。

 

複利効果とは、配当などで得た利益を元本に再投資することにより、利益が利益を生んで、資産が膨らんでいく効果のことです。複利の場合は、元本とその元本に付く利息の両方に新たな利息が付くから、資産が膨らんでいくわけです。複利効果による利益幅は運用期間が長ければ長いほど大きくなります。利益を元本に再投資する回数が増えるため、その分、雪だるま式に資産が増えていくのです。

 

また、長期投資にはリスクを軽減する効果もあります。右ページ下のグラフは、保有期間5年と保有期間20年の運用成果を比較したものです。保有期間5年の場合は、元本割れの可能性が生じていますが、保有期間20年の長期投資の場合、元本割れの可能性はほぼないとシミュレーションされています。

 

金融市場を振り返りますと、実際に2008年のリーマンショックでは株価が大暴落しましたが、その5年後には暴落前の水準まで回復し、現在ではそれをはるかに上回る価格まで上昇しています。大きな値下がり局面がやってくると、積立投資を途中でやめてしまう人も少なくありませんが、長期投資では、価格のジェットコースターが下がったときに、乗り続けられるかどうかが明暗を分けます。そこで耐え忍んで、じっと待つことでその先に道が開けてくるともいえるのです。

 

[図表1]

 

[図表2]

 

 ★Point★ 

□ 複利効果によって、資産を雪だるま式に増やすことができる

□ 値下がり局面で積み立てをやめてしまうのは避けたい

 

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キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

酒井 富士子

学研プラス

投資に明るくない人でも、現役時代に得られるお金を殖やして老後に備えることを否応なく求められる時代だが、そうはいっても無限にある投資手段を有利に選択するのは至難の業。 そこで本書は、お金や投資的な行為が苦手な人で…

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