比較的値動きが安定している先進国の株式は、投資のリスク軽減に有効です。また、複数の資産や地域に分散する方法も、同じくリスク軽減になります。具体的に見ていきましょう。※本連載は、経済ジャーナリストの酒井富士子氏の著書『キーワードでまるごとわかる 投資の教科書』(株式会社Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

先進国株式型投資信託】安定的な値動きでリスク低め

先進国の株式を投資対象とする投資信託

新興国の株式と比べて値動きが安定しているため、リスクの比較的小さな投資信託です。

 

「先進国株式型投資信託」とは、その名の通り、先進国の株式を投資対象とする投資信託のことです。

 

先進国は経済や政情が安定している傾向にあるため、一般的に新興国と比べて値動きが安定していて、リスクは比較的小さくなります。安定的な運用を期待して、「値動きの激しい新興国株式には投資をしたくない」という人は、検討してみるといいでしょう。

 

先進国株式型の代表的な指標として挙げられるのが、「MSCIコクサイ・インデックス」です。長い歴史を持ち、全世界の投資家から信頼の厚い指数ですが、1つ覚えておきたいのが、この指標の対象には日本が含まれていない点です。そのため、どうしても日本株式へ投資したいという人は、先進国株式型ではなく、全世界株式を選択するべきでしょう(『投資対象/全世界株式型投資信託…どんな商品・地域を選ぶ? それとも、全世界に照準を合わせる?』参照)。

 

一方で、個別株などで日本株を既に保有しているという人には、先進国株式型も投資の候補に挙がってきます。

 

代表的な商品の1つが、「eMAXISSlim 先進国株式インデックス」です。これはMSCIコクサイ・インデックスに連動するリターンを目指す投資信託で、主として日本を除く世界主要国の株式に投資を行います。信託報酬は0.1%と同種ファンドのなかでも低水準で、コスト面にも優れているため、老後資産形成のための長期投資にも適しているといえるでしょう。

 

図表1は、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」の地域別構成比率を表しています。

 

地域別構成比率の7割をアメリカが占めていますが、「世界的企業が多数存在する米国株への投資には興味があるけれど、集中投資するのは怖い」という人に向いている商品といえるでしょう。

 

[図表1]

 

 ★Point★ 

□ 先進国への投資が主なので、ローリスクを期待できる

□ 日本を除く先進国であるため、日本株に投資したい人に不向き

 

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キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

キーワードでまるごとわかる 投資の教科書

酒井 富士子

学研プラス

投資に明るくない人でも、現役時代に得られるお金を殖やして老後に備えることを否応なく求められる時代だが、そうはいっても無限にある投資手段を有利に選択するのは至難の業。 そこで本書は、お金や投資的な行為が苦手な人で…

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